横浜創学館-慶應義塾|予想と試合分析【2026年春季神奈川大会】

2026年春季神奈川県大会準決勝、横浜創学館-慶應義塾。

この試合を事前に考えたとき、かなマネでは慶應義塾側の勝ち筋を、

「先に差を広げて、創学館の粘りを重くする」

という形で見ていました。

横浜創学館は、接戦を長く維持しながら少ないチャンスを得点へ変え、そのまま終盤まで食らいつく形を警戒していたチームです。

そのため慶應義塾としては、1点差のまま終盤へ入るのではなく、序盤から先に主導権を取り、中盤までに2点差以上を作りたい。

かなマネでは、

先制 → 追加点 → 横浜創学館の反撃ルートを重くする

という流れを理想としていました。

ところが実際の結果は、横浜創学館4-1慶應義塾。

事前に慶應義塾が作りたいと考えていた形を、むしろ横浜創学館の方が作りました。

先制したのは横浜創学館。

1-1になったあとに再び差を作ったのも横浜創学館。

終盤に追加点を取って反撃ルートを細くしたのも横浜創学館。

今回は、事前予想と実際の試合がなぜ逆の構造になったのかを中心に振り返ります。

試合前に考えていた慶應義塾の勝ち筋

事前の展開予想では、慶應義塾にとって重要なのは先に差を作ることでした。

序盤の1〜3回では、

慶應義塾1-0

あるいは、

慶應義塾2-0

という形を理想としていました。

まず先制し、横浜創学館を早い段階から追う側に回す。

1点目で流れをつかみ、2点目を取ることで試合を少しずつロックしていくイメージです。

中盤の4〜6回では、

3-1、4-1、4-2

くらいまで慶應義塾が差を広げられれば、かなり有利になると見ていました。

そして7〜9回。

2点差以上で終盤に入ることで、横浜創学館が追いつくために必要な条件を増やす。

これが事前に考えていた勝ち筋です。

事前に警戒していた3つの危険な形

逆に、慶應義塾側から見て避けたい形もかなりはっきりしていました。

一つ目が、1点差のまま終盤へ入ること。

慶應義塾2-1、3-2のような状態では、横浜創学館の粘りが残ります。

一つの長打、一つのミス、一つの得点で試合が戻る距離だからです。

二つ目が、追加点を取れないこと。

1-0や2-1のまま時間が進めば、横浜創学館側に「まだ追える」という状態を残してしまいます。

そして三つ目が、中盤まで競ったまま進むこと。

0-0で5回。

1-1で6回。

こうした形になると、終盤の一つの攻撃で勝敗が決まりやすくなります。

だからこそ、慶應義塾には先に差を広げることを求めていました。

試合結果

2026年5月2日
春季神奈川県大会 準決勝

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
横浜創学館 0 1 0 0 2 0 0 1 0 4
慶應義塾 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1

横浜創学館 4-1 慶應義塾

横浜創学館は8安打4得点。

慶應義塾は6安打1得点でした。

横浜創学館は上村怜央が7回を投げて1失点。

残り2回を稲嶺啓が無失点でつなぎました。

慶應義塾は湯本琢心、渡辺英亜の2投手で9回を投げています。

先制したのは慶應義塾ではなく横浜創学館

事前予想で最も重要視していたのは、慶應義塾が先制できるかでした。

しかし、最初に試合を動かしたのは横浜創学館です。

2回表に1点を先制。

慶應義塾が追う側になりました。

ここで、事前に考えていた試合の入口がまず逆になります。

かなマネでは、慶應義塾が先に1点を取り、横浜創学館に追わせる形を理想としていました。

実際には、横浜創学館がその形を作りました。

慶應義塾は3回にすぐ追いついた

ただし慶應義塾も、そのまま離されません。

3回裏に1点。

スコアは1-1になります。

横浜創学館が先制した直後に同点。

ここまでは慶應義塾も十分に試合を戻せています。

事前予想で危険な形として挙げていた、

「中盤まで競ったまま」

という状態に入り始めました。

4回を終えても1-1。

この時点で、試合はどちらかが次の1点を取れば大きく動く状態になっています。

最大の分岐点は5回の2得点

そして5回表。

横浜創学館が2得点。

1-1から3-1へ。

この2点が、この準決勝最大の分岐点だったと思います。

横浜創学館の近藤凛空には、この回に本塁打も出ています。

さらに川崎進太朗には二塁打。

それまで均衡していた試合で、横浜創学館が長打を絡めながら一気に2点分の距離を作りました。

事前予想では、慶應義塾が中盤までに、

3-1、4-1、4-2

くらいまで差を作りたいと考えていました。

ところが実際に3-1を作ったのは横浜創学館でした。

予想していた構造がそのまま逆になった

この5回が面白いのは、単純に横浜創学館が2点を取ったからではありません。

事前予想で慶應義塾側の勝ち筋として考えていた構造と、ほぼ同じだからです。

先に得点する。

相手に追いつかれても、もう一度追加点を取る。

2点差を作って後半へ入る。

これを実行したのが横浜創学館でした。

かなマネでは、横浜創学館の粘りを重くするために慶應義塾が先に差を広げたいと考えていました。

しかし実際には、横浜創学館が慶應義塾の反撃を重くする側になりました。

横浜創学館は少ない機会を得点へ変えた

横浜創学館はこの試合で8安打4得点。

毎回大量の走者を出していたわけではありません。

得点したのは、

2回に1点。

5回に2点。

8回に1点。

です。

特に重要だったのは5回。

1-1という五分の状態から、複数得点を取って3-1まで広げました。

現在のかなマネInsightでいう「得点変換力」を見るなら、この回が象徴的です。

均衡した試合では、一つのチャンスを1点だけで終えるか、2点以上まで広げられるかで試合の条件が大きく変わります。

慶應義塾は1-1に戻したあと追加点を取れなかった

一方の慶應義塾は3回に1-1としました。

ここまでは横浜創学館の先制を消すことに成功しています。

ただ、その後は得点できませんでした。

4回。

5回。

6回。

7回。

8回。

9回。

すべて無得点です。

事前予想で危険な形として挙げていた、

「追加点が取れない」

という状態に、そのまま入ってしまいました。

しかも今回は1点差を維持できたわけではありません。

5回に2点を取られ、追う点数が一気に2点へ増えています。

上村怜央が7回1失点

横浜創学館の先発・上村怜央は7回を投げました。

被安打4。

慶應義塾の得点は3回の1点のみ。

その後は追加点を許しませんでした。

これは、この試合で非常に重要です。

5回に横浜創学館が3-1としたあと、慶應義塾にすぐ1点を返されれば、また3-2。

事前に警戒していた1点差の接戦へ戻ります。

しかし上村がその反撃を止めました。

攻撃で2点差を作った直後、守備でその2点差を維持した。

横浜創学館が試合を自分たちの側へ固定できた大きな理由です。

準々決勝から続いた横浜創学館の投手運用

横浜創学館は準々決勝の相洋戦でも、上村怜央、稲嶺啓、畑木秀斗の3投手で相洋を1点に抑えていました。

準決勝では上村が7回。

残り2回を稲嶺が担当。

慶應義塾を再び1点に抑えています。

準々決勝が4-1。

準決勝も4-1。

相手は違いますが、必要な得点を取り、複数投手を使いながら相手の反撃を1点に抑えるという勝ち方が続きました。

現在のかなマネInsightでいう「投手役割可変性」という視点でも、かなり興味深い勝ち上がりです。

8回の1点が反撃ルートをさらに細くした

3-1のまま試合は8回へ。

ここで横浜創学館が1点を追加します。

4-1。

これも、事前予想で慶應義塾に求めていた形そのものです。

終盤へ入る前に2点差以上を作り、相手の反撃ルートを細くする。

横浜創学館は5回に2点差を作り、さらに8回に3点差まで広げました。

慶應義塾から見ると、残り2イニングで最低3点が必要になります。

それまで7イニングで1得点しか取れていないことを考えると、一気に条件が重くなりました。

事前予想の「2点差以上で終盤へ」は合っていた

今回、勝敗の方向は外れました。

ただ、事前予想で考えていた試合構造そのものには、かなり重要な部分があります。

かなマネでは、横浜創学館を相手にするとき、

1点差のまま終盤へ入るのは危険

と見ていました。

だから慶應義塾には2点差以上を作ってほしいと考えていました。

実際の試合でも、2点差を作った側がかなり有利になっています。

ただ、それが慶應義塾ではなく横浜創学館だった。

「2点差以上を作ることが重要」という読みは機能した。ただ、どちらがその形を作るかを読み違えた。

このように整理するのが、この試合の予想を振り返るうえでは一番自然だと思います。

慶應義塾は6安打でも1得点

慶應義塾はこの試合で6安打。

安打自体がまったく出なかったわけではありません。

9回には湯本琢心の二塁打も出ています。

しかし得点は3回の1点だけでした。

走者を出しても、そこから複数の打者をつないで得点まで持っていくことができませんでした。

現在のかなマネInsightでいう「得点変換力」という視点では、慶應義塾側に課題が表れた試合です。

一方の横浜創学館は8安打で4点。

特に5回のチャンスを2点に変えたことで、同じ接戦でも優位を大きくすることができました。

準々決勝では再アンロックできた慶應義塾

この試合は、慶應義塾の準々決勝と比較するとさらに面白くなります。

準々決勝の立花学園戦。

慶應義塾は2回に4点を先制しましたが、4回に立花学園が3点を返して4-3。

そこで5回に再び3点を奪い、7-3まで広げました。

一度縮まった試合を、もう一度攻撃で動かしたわけです。

現在のかなマネInsightでいう「再アンロック」ができた試合でした。

しかし準決勝では違います。

3回に1-1まで戻したあと、横浜創学館に5回2点。

そこから慶應義塾は再び試合を動かすことができませんでした。

準々決勝ではできた「試合をもう一度作り直すこと」が、準決勝ではできなかった。

ここも両試合を比較するうえで重要な違いです。

横浜創学館は「粘った」のではなく主導権を取った

事前予想では、横浜創学館について「粘り」をかなり警戒していました。

慶應義塾が先に差を作り、その粘りを重くしたい。

そう考えていました。

しかし実際の横浜創学館は、単に相手についていったわけではありません。

2回に先制。

追いつかれたあと5回に2点。

8回にも1点。

自分たちから何度も試合を動かしています。

つまり、事前評価では横浜創学館を少し受け身に見すぎていた可能性があります。

「相手に食らいつくチーム」だけではなく、均衡した試合の中で自分たちから差を作れるチームとして見る必要がありました。

事前予想と実際の試合を比較すると

事前に見ていたポイント 実際
慶應義塾が序盤に先制 × 2回に横浜創学館が先制
慶應義塾が中盤までに追加点 × 3回の1点のみ
1点差のまま終盤へ入らない ○ ただし2点差を作ったのは横浜創学館
2点差以上で相手の反撃を重くする ○ 横浜創学館が5回に3-1
終盤にさらに差を広げる ○ 横浜創学館が8回に1点追加
実際の結果 横浜創学館4-1慶應義塾

こうして整理すると、この試合はかなり興味深いです。

事前に考えていた「接戦のまま終盤へ入らず、先に2点差以上を作った側が有利になる」という考え方自体は、実際の試合にも表れました。

ただ、その構造を作るチームを読み違えました。

この試合から見えたこと

この試合から一番大きく見えてくるのは、勝ち筋を考えるときに、相手を受け身で見すぎてはいけないということです。

事前予想では、慶應義塾が先制し、追加点を取り、横浜創学館の粘りを重くする。

そう考えていました。

横浜創学館側については、接戦を維持し、終盤まで食らいつく形を強く見ています。

ところが実際には逆でした。

横浜創学館が先制。

慶應義塾に追いつかれても、5回に2点。

さらに8回にも1点。

横浜創学館の方が、自分たちから試合距離を広げる側になりました。

そして上村怜央から稲嶺啓へつなぎ、慶應義塾の反撃を1点に抑えています。

現在のかなマネInsightで見れば、横浜創学館には、

得点変換力。

試合距離維持力。

投手役割可変性。

そして、追いつかれたあとにもう一度差を作る再アンロック力。

いくつかの要素が同時に表れた試合でした。

一方の慶應義塾は、3回に一度1-1へ戻しています。

しかし準々決勝のように、そこからもう一度試合を動かすことができませんでした。

同点に戻すことと、そこから自分たちの勝ち筋を作ることは別。

これもこの試合から見えてくるポイントです。

そして予想する側として一番大きな修正点は、横浜創学館を「粘って食らいつくチーム」だけで捉えないこと。

接戦を維持するだけではなく、均衡したところから自分たちで差を作り、その差を守れる。

準々決勝の相洋戦に続く4-1という勝利は、横浜創学館が決勝まで進んだ理由を考えるうえでも、かなり重要な試合だったと思います。