2026年春季関東大会2回戦、健大高崎-佐野日大。
かなマネでは試合前、健大高崎を本命と予想していました。
予想スコアは、
健大高崎 7-2 佐野日大
想定していたのは、健大高崎が序盤から中盤にかけて主導権を握り、そのまま点差を広げて押し切る展開です。
実際に勝ったのも健大高崎でした。
ただし、試合は想定していたものよりはるかに接戦になりました。
結果は、
健大高崎 3-2 佐野日大。
健大高崎が得点したのは2回の3点だけ。
佐野日大は4回に2点を返し、その後も1点差のまま最終回まで試合を残しました。
勝敗予想は的中しています。
一方で、「健大高崎がどのくらい優位に勝つのか」という試合距離の予想は大きく違いました。
今回は、なぜ7-2と見ていた試合が3-2の1点勝負になったのかを振り返ります。
当時の事前予想
本命:健大高崎
予想スコア:健大高崎 7-2 佐野日大
展開予想:健大高崎が序盤~中盤で主導権を握い、そのまま押し切る展開
大会前のかなマネ評価では、健大高崎はSランク。
群馬大会6試合で平均10.17得点、平均1.50失点。
5試合でコールド勝ち、3試合で完封勝ちという内容で、春関東の出場校の中でも特に高く評価していました。
一方の佐野日大はBランク。
栃木大会5試合で平均7.00得点、平均3.20失点。
接戦勝ちも2試合ありましたが、大会全体の基礎評価では健大高崎にかなり分があると見ていました。
そのため勝敗だけでなく、
「健大高崎がある程度の点差をつけて勝つ」
ところまで予想していました。
実際の試合結果
健大高崎 3-2 佐野日大
健大高崎が2回の3得点を守り切り、1点差で勝利
| 学校 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 佐野日大 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
| 健大高崎 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | X | 3 |
健大高崎は2回裏に3点を先制。
ここだけを見ると、事前予想で考えていた「序盤から主導権を握る」形には入りました。
しかし、その後は追加点を奪えません。
4回表には佐野日大が2点を返して3-2。
そこからスコアは最後まで動きませんでした。
予想と結果を比較すると
| 項目 | 事前予想 | 実際 |
|---|---|---|
| 勝敗 | 健大高崎 | 健大高崎 |
| 予想スコア | 7-2 | 3-2 |
| 健大高崎の得点 | 7点前後 | 3点 |
| 佐野日大の得点 | 2点前後 | 2点 |
| 序盤 | 健大高崎が主導権 | 2回に健大高崎が3得点 |
| その後 | 健大高崎が差を広げる | 追加点なし、1点差のまま終了 |
佐野日大を2点程度に抑えるという部分は、そのまま結果に出ました。
そして健大高崎が序盤に先行するという方向性も合っています。
大きく違ったのは、その後です。
予想では、
先に主導権を取る → 中盤にも追加点を取る → 点差を広げて押し切る
と考えていました。
ところが実際には、
先に主導権を取る → 追加点が取れない → 相手に1点差まで戻される → その1点を守り切る
という試合になりました。
勝者は同じでも、勝ち方はかなり違っています。
2回の3得点で健大高崎が先に動いた
試合を最初に動かしたのは健大高崎でした。
2回裏、石田翔大選手、神崎翔斗選手、溝口寛人選手らが出塁し、木村守那選手の二塁打などで得点。
この回に3点を奪います。
健大高崎は県大会でも平均10点を超える得点力を見せていたチームです。
そのため、この3点が「攻撃の始まり」になると事前には考えていました。
しかし結果的には、
これが健大高崎のこの試合で最初で最後の得点
になりました。
佐野日大・鈴木有投手が3回以降を無失点
健大高崎の得点を止めたのが、佐野日大の先発・鈴木有投手です。
鈴木投手は8回を一人で投げ切りました。
- 8回
- 101球
- 被安打6
- 奪三振6
- 四死球0
- 3失点
2回に3点を失いましたが、その後は無失点。
特に四球、死球がともに0だったことは大きなポイントです。
健大高崎に余計な走者を与えず、3回以降は追加点を許しませんでした。
事前予想では、健大高崎が一度得点を始めれば、その後も追加点を重ねると考えていました。
しかし鈴木投手は、
一度崩れたあとに立て直し、残り6イニングを無失点に抑えています。
ここは、当時の予想では十分に拾えていなかった部分です。
佐野日大は4回にすぐ2点を返した
健大高崎が3点を先制したあと、次に試合が動いたのは4回でした。
佐野日大は櫻岡稜万選手が安打で出塁。
小島颯人選手の三塁打などで2点を返します。
これで3-2。
健大高崎が作った3点差を、一度の攻撃で1点差まで縮めました。
ここで試合の性質が変わります。
2回終了時点では健大高崎がかなり優位に見えた試合が、
「次の1点で大きく動く試合」
へ戻りました。
佐野日大は最後まで1点差を維持した
4回に3-2となってから、試合終了までスコアは動きませんでした。
佐野日大は5回以降、健大高崎を無得点に抑えています。
つまり、最後まで、
1点取れば同点、2点取れば逆転
という距離に残り続けました。
これは、事前に想定していた試合とはかなり違います。
予想では健大高崎が中盤以降に追加点を取り、佐野日大を反撃可能な距離から外していくと考えていました。
実際には佐野日大がその距離を最後まで維持しています。
現在のかなマネInsightでいう「試合距離維持力」が、佐野日大側に強く出た試合だったと思います。
健大高崎は6安打、佐野日大は7安打
チーム安打数を見ると、
健大高崎6安打、佐野日大7安打。
佐野日大の方が1本多くヒットを打っています。
さらに両チームとも失策は0。
大会前評価では健大高崎を大きく上に見ていましたが、この1試合だけを見れば両校の内容に大きな差はありませんでした。
この部分も重要です。
大会前の総合評価が大きく離れているからといって、
1試合の中でも同じだけ差が出るとは限りません。
石垣聡志投手が8回2失点
健大高崎の先発・石垣聡志投手は8回を投げました。
- 8回
- 129球
- 被安打5
- 奪三振7
- 四球4
- 2失点
4回には2点を失いましたが、それ以外のイニングでは得点を許していません。
健大高崎打線が追加点を取れない中、石垣投手がリードを維持しました。
予想では健大高崎の「攻撃力」が点差を作ると見ていました。
実際には、
石垣投手が3-2という薄いリードを守り続けたことが勝利の中心
になっています。
9回は北田莉玖投手へ
健大高崎は9回、石垣投手から北田莉玖投手へ継投しました。
北田投手は2安打を許しながらも無失点。
1点差を守り切りました。
この継投も、この試合では重要です。
3点を取ったあと追加点がない以上、健大高崎は最後まで1点も失えない状況になっていました。
その中で、
石垣投手から北田投手へ役割を切り替え、最後の1点差を固定した。
現在の視点なら、投手役割可変性や終盤の再ロックという観点から見ることができます。
「本命」と「大差予想」は分けて考える必要があった
この試合は、現在振り返るとかなり重要です。
大会前評価では、
健大高崎 S、佐野日大 B。
総合評価も健大高崎93.7、佐野日大67.5。
かなり差がありました。
そのため、
「健大高崎の勝つ確率が高い」
という判断から、
「健大高崎が5点程度の差をつける」
ところまで一続きに考えていました。
しかし、この2つは別です。
健大高崎が本命であることと、試合が大差になることは同じではありません。
結果は3-2。
勝敗の方向は合っていても、試合距離はまったく違いました。
佐野日大の接戦経験をもっと評価できた
大会前データを見ると、佐野日大には接戦勝ちが2試合ありました。
また大量失点回の頻度も0.40と、それほど高くありません。
つまり佐野日大には、
相手に一気に試合を壊されず、接戦の時間を作る可能性
がありました。
健大高崎のS評価が強かったため、この佐野日大側の特徴を相対的に小さく見てしまっていた部分があります。
現在なら、健大高崎本命を維持しながらも、
「佐野日大が鈴木投手を中心に試合を残せた場合、3~4点勝負まで縮まる可能性」
をもう少し強く考えると思います。
現在のかなマネInsightから振り返ると
① 大会構造では健大高崎優位
県大会までの成績を比較すれば、健大高崎を高く評価する材料は十分にありました。
その意味で、健大高崎本命という大会構造上の判断は機能しています。
② 試合構造では佐野日大がかなり距離を縮めた
一方、この直接対戦では鈴木投手が3回以降を無失点。
佐野日大は4回に2点を返し、最後まで1点差を維持しました。
大会全体での評価差ほど、この試合の中では差がありませんでした。
③ 健大高崎の勝ち筋は攻撃型から守備型へ変わった
事前予想では、得点を重ねて押し切る形でした。
実際には2回に3点を取ったあと、石垣投手と北田投手がそのリードを守りました。
つまり試合途中で、
「追加点で勝つ試合」から「3点を守って勝つ試合」へ勝ち筋が変わっています。
④ 勝敗確率と点差予想を分ける必要がある
この試合から得られる最も大きな材料かもしれません。
強い本命だからといって、大差予想にする必要はありません。
相手がどれだけ試合距離を維持できるかまで見たうえで、勝敗と点差を別々に考える必要があります。
なお、これらの考え方を当時から現在と同じ言葉で使っていたわけではありません。
現在のかなマネInsightから振り返ると、そう整理できるという意味です。
この試合から見えたこと
健大高崎-佐野日大は、勝敗予想としては的中でした。
佐野日大を2点に抑えるという部分も合っています。
さらに健大高崎が序盤に主導権を取るところまでは、事前予想に近い展開でした。
しかし、
その後に健大高崎が差を広げるという部分は完全に違いました。
佐野日大の鈴木投手が2回の3失点から立て直し、3回以降を無失点。
打線も4回に2点を返し、最後まで1点差を維持しました。
そして健大高崎は、攻撃で押し切るのではなく、石垣投手と北田投手でその1点差を守りました。
この試合から見えるのは、
- 本命予想と点差予想は分けて考えること
- 相手の先発投手が一度の失点後に立て直せるかを見ること
- 総合評価差がそのまま試合の点差になるわけではないこと
- 想定した勝ち筋が消えたあと、別の勝ち方へ切り替えられるかを見ること
の重要性です。
大会前には優勝候補として健大高崎を高く評価していました。
その評価自体は、この1試合の勝敗という意味では間違っていません。
ただ、佐野日大がここまで接戦へ持ち込めたことを考えると、
「どちらが強いか」と「その試合がどのくらいの距離で進むか」は、別の問いとして見る必要がある。
この試合は、それをかなり分かりやすく示していた一戦だったと思います。