浦和学院-東京学館浦安|予想と試合分析【2026年春季関東大会】

2026年春季関東大会準々決勝、浦和学院-東京学館浦安。

大会前のかなマネでは、浦和学院をベスト4候補として評価していました。

一方の東京学館浦安は、2回戦で文星芸大付に2-1でサヨナラ勝ち。

大会前には文星芸大付を本命としていたため、東京学館浦安はその予想を覆して準々決勝まで勝ち上がってきたチームでした。

この準々決勝について、当時の単独のスコア予想は残っていません。

そのため、ここでは後から数字を作るのではなく、

「大会前には浦和学院をより上位まで勝ち上がるチームとして見ていた」

という評価と、実際の試合内容を比較して振り返ります。

結果は、

浦和学院 12-2 東京学館浦安。

8回コールドゲームでした。

2回戦で「接戦を最後まで残す力」を見せた東京学館浦安に対し、浦和学院はその接戦構造そのものを壊しました。

この試合は、浦和学院の攻撃力を見るだけでなく、

なぜ前の試合では機能した東京学館浦安の勝ち筋が、今回は機能しなかったのか

を見ると非常に興味深い一戦です。


当時の大会前評価

浦和学院:大会前A評価・ベスト4予想

東京学館浦安:大会前B評価

この準々決勝単独のスコア予想は確認できないため、後付けせず大会前評価を基準に振り返ります。

浦和学院は埼玉1位。

春の県大会5試合で、

  • 平均得点11.0
  • 平均失点4.4
  • Big Inning頻度1.20
  • コールド勝ち2

という成績。

かなマネではA評価、「爆発型」として整理していました。

一方の東京学館浦安は千葉2位。

  • 平均得点4.4
  • 平均失点2.4
  • 大量失点回0
  • 接戦勝ち3
  • 完封勝ち1

という内容で、B評価の「接戦型」。

対照的な特徴を持つ2校の対戦でした。


実際の試合結果

浦和学院 12-2 東京学館浦安

浦和学院が19安打12得点。8回10点差コールドで準決勝進出。

学校 1 2 3 4 5 6 7 8 計
浦和学院 2 0 0 2 0 2 2 4 12
東京学館浦安 0 0 0 0 2 0 0 0 2

浦和学院は1回に2点を先制。

4回にも2点を加えて4-0。

東京学館浦安は5回に2点を返し、一度は4-2まで距離を縮めました。

しかし浦和学院は、

6回に2点。

7回に2点。

8回には4点。

東京学館浦安の反撃後に8得点を重ね、12-2まで差を広げました。


この試合のポイントは「19安打12得点」だけではない

浦和学院の19安打12得点は、もちろん強烈です。

ただ、この試合でより注目したいのは、

どの時間帯でも得点できていること

です。

1回に2点。

4回に2点。

6回に2点。

7回に2点。

8回に4点。

ひとつのBig Inningだけで12点を取ったわけではありません。

東京学館浦安が一度攻撃を止めても、浦和学院は別のイニングでもう一度得点を作っています。

攻撃を一度止められても、それで試合全体の得点が止まらなかった。

ここが大きかったと思います。


1回、浦和学院がいきなり東京学館浦安の勝ち筋を揺らした

浦和学院は初回から試合を動かしました。

1番・玉榮久豊選手が初球を三塁打。

続く藤澤昴輝選手も適時三塁打を放ち、わずか2人で先制します。

さらに鈴木謙心選手の二ゴロの間に藤澤選手が生還。

2-0。

東京学館浦安は2回戦の文星芸大付戦で、5回まで0-0という接戦を作りました。

相手を低得点に抑え、終盤まで勝負を残したことが2-1のサヨナラ勝ちにつながっています。

しかし浦和学院戦では、開始直後に2点を失いました。

東京学館浦安が得意としていた「0-0、1-0、1-1のような距離で試合を残す時間」を、浦和学院が最初の攻撃から短くしています。


それでも2回、3回は無得点だった

初回に2点を取った浦和学院ですが、そのまま一気に試合を決めたわけではありません。

2回は満塁まで攻めながら無得点。

3回も得点できませんでした。

東京学館浦安の先発・玉川颯土投手は走者を出しながらも、追加点を防いでいます。

この時点では2-0。

まだ東京学館浦安が十分に勝負できる距離でした。

つまり、

東京学館浦安の接戦構造が完全に壊れたのは初回ではありません。

初回に先行されても、その後はいったん試合を止めることができていました。


4回の2点で浦和学院がもう一段距離を広げた

4回表、浦和学院は9番・城間琥珀選手の安打から攻撃を作ります。

玉榮選手が送りバント。

藤澤選手が安打でつなぎ、鈴木選手の犠飛で1点。

さらに東京学館浦安の守備のミスも絡み、もう1点。

4-0となりました。

ここでは長打だけでなく、

  • 出塁
  • 送りバント
  • 安打
  • 犠飛
  • 相手守備のミス

を組み合わせています。

浦和学院の攻撃は、強打だけで成立していたわけではありません。

走者を作ったあと、複数の方法で得点へ変えられた

ことが特徴的でした。


5回、東京学館浦安が2点を返した

4-0となった5回裏。

東京学館浦安にも反撃の時間が来ます。

須賀太維史選手が内野安打で出塁。

田口龍之介選手が送りバント。

北原慎太郎選手が四球。

代打・石井勇輝選手も四球を選び、2死満塁。

ここから中道一騎選手が適時打。

さらに志村俊輔選手が押し出し四球を選びます。

4-2。

東京学館浦安は3安打しか放てなかった試合ですが、この回は安打と四球を組み合わせて2点を取りました。

4点差から、もう一度2点差まで試合を戻した。

接戦型のチームらしい粘りが出た場面だったと思います。


最大の分岐点は、その直後の6回表

東京学館浦安が4-2まで戻しました。

ここで浦和学院の攻撃が止まれば、試合はもう一度分からなくなります。

しかし6回表。

浦和学院は先頭の藤澤選手が四球。

鈴木選手が送りバント。

内藤蒼選手が適時打を放ち、5-2。

さらに伊藤漣選手が送りバント。

法量章太郎選手が適時打を放ち、6-2。

東京学館浦安が2点を返した直後に、浦和学院も2点を取り返しました。

この2得点は非常に大きかったと思います。

相手が一度試合をアンロックした直後に、もう一度4点差へ戻した。

現在のかなマネInsightから見れば、浦和学院の再ロックが非常に早く機能した場面です。


東京学館浦安の大家雅史投手でも流れを止められなかった

6回から東京学館浦安は大家雅史投手をマウンドへ送りました。

大家投手は2回戦の文星芸大付戦で、

9回153球、8安打1失点の完投。

東京学館浦安が2-1でサヨナラ勝ちする最大の要因の一つでした。

しかし浦和学院戦では状況が違いました。

大家投手は3回を投げ、

  • 被安打10
  • 1本塁打
  • 1四球
  • 8失点

となりました。

同じ投手でも、相手が変われば結果は大きく変わります。

文星芸大付戦で成立した「大家投手が相手打線を低得点に抑える」という勝ち筋は、浦和学院戦では再現できませんでした。


これは「大家投手が悪かった」で終わらせない方がいい

もちろん数字だけを見ると、大家投手は3回8失点です。

ただ、この試合を個人の出来だけで整理するのは少し違うと思います。

浦和学院打線は、

6回に2点。

7回に2点。

8回に4点。

大家投手の登板後、毎回得点しています。

さらに安打だけでなく送りバントも使い、走者を確実に得点圏へ進めています。

つまり、

東京学館浦安側の投手だけを見るのではなく、浦和学院側が相手の抑制力をどう崩したのかを見る必要があります。


7回、藤澤昴輝選手の2点二塁打で8-2

7回表も浦和学院は攻撃を止めません。

代打・中川陽翔選手が安打。

城間琥珀選手がバントヒットで続きます。

1死二、三塁となり、藤澤昴輝選手が2点適時二塁打。

8-2。

この時点で6点差です。

東京学館浦安が得意としてきた「1点勝負」の範囲からは完全に外れました。

5回に一度4-2まで戻したものの、

浦和学院はその後の2イニングで4点を追加し、反撃可能な距離そのものを消しています。


8回は4得点。最後はコールドまで広げた

8回表。

浦和学院は伊藤漣選手の安打から攻撃を開始します。

西村虎龍選手が送りバント。

蜂巣祥万選手が適時二塁打。

城間選手も適時打で続きます。

そして玉榮久豊選手が2点本塁打。

この回4得点。

12-2となりました。

送りバントで1点を取りに行く形から、その後に連打、本塁打まで続いています。

小さく1点を取りに行く攻撃と、一気に複数得点まで伸ばす攻撃が同じイニングの中で接続していました。

8回裏を抑え、10点差コールドで試合終了となりました。


浦和学院は19安打。それでも攻撃は長打だけではない

浦和学院は19安打を記録しました。

打線では、

  • 城間琥珀選手:5打数5安打3得点
  • 藤澤昴輝選手:4打数4安打3打点3得点
  • 玉榮久豊選手:2安打2打点、本塁打1
  • 法量章太郎選手:2安打1打点
  • 西村虎龍選手:2安打

と、多くの打者が攻撃に関わりました。

さらにチームとして4犠打。

大量安打の試合でも、走者を進める攻撃を使っています。

これはかなり重要です。

浦和学院は「打てたから12点」だけではなく、出塁した走者をどう得点へ運ぶかまで機能していました。


城間琥珀選手の5安打が攻撃を何度も作った

特に9番・城間琥珀選手は5打数5安打。

下位打線の9番からこれだけ出塁されると、浦和学院は打順が切れません。

城間選手が出塁すると、その後は1番・玉榮選手、2番・藤澤選手へつながります。

この1番、2番もこの試合では高い出塁・安打能力を見せました。

つまり浦和学院は、

下位で攻撃が終わるのではなく、9番からもう一度上位打線の攻撃を始めることができていました。

複数イニングで得点できた背景には、こうした打線の循環もあったと思います。


藤澤昴輝選手は4安打3打点3得点

2番・藤澤昴輝選手も大きな役割を果たしました。

4打数4安打。

3打点、3得点。

さらに四球1、死球1。

第1打席では適時三塁打。

7回には2点適時二塁打。

走者を返すだけでなく、自分自身も次の得点の走者になっています。

得点を作る側と、得点になる側の両方を担っていた

ことが、浦和学院の攻撃を長く持続させました。


東京学館浦安は3安打でも5回に2点を作った

東京学館浦安のチーム安打は3本だけでした。

それでも5回には2点を奪っています。

安打だけでなく、

  • 送りバント
  • 四球
  • 代打
  • 押し出し四球

などを使って得点しました。

東京学館浦安側にも、少ない出塁から得点を作る工夫はありました。

ただし、浦和学院はそこで攻撃の流れを渡しませんでした。

5回に2点取られたあと、6回から再び得点を続けています。


日髙創太投手が7回3安打2失点

浦和学院の先発は日髙創太投手。

  • 7回
  • 93球
  • 被安打3
  • 奪三振4
  • 四球4
  • 2失点

でした。

5回には四球が重なり2点を失いました。

ただ、それ以外の6イニングは無失点。

6回には走者を出しながら併殺。

7回は三者凡退に抑えました。

東京学館浦安に一度反撃されても、それ以上連続して失点しませんでした。


8回は深谷漣投手が締めた

8回裏、浦和学院は日髙投手から深谷漣投手へ交代。

深谷投手は四球を一つ与えましたが、無安打無失点。

最後の打者を三振に抑え、12-2で試合を終えました。

浦和学院は初戦の横浜創学館戦でも、終盤に5点を返されたあと伊藤漣投手へ継投して6-5を守っています。

この試合でも、先発だけで最後まで行くことにこだわらず、終盤に別の投手へ切り替えています。

攻撃で作った試合距離を、最後は投手交代によって固定する。

この部分も浦和学院の勝ち上がりを考えるうえで重要でした。


東京学館浦安は「接戦型」なのに、なぜ接戦にできなかったのか

この試合を振り返るうえで、一番重要な問いかもしれません。

東京学館浦安は県大会で大量失点回0。

接戦勝ち3試合。

2回戦でも文星芸大付を1点に抑え、2-1で勝っています。

それでも浦和学院には12点を取られました。

これは、

「接戦型だから、どんな相手とも接戦になる」わけではない

ということを示しています。

東京学館浦安が接戦へ持ち込むには、まず相手の得点を低い範囲に抑える必要があります。

文星芸大付戦ではそれができました。

しかし浦和学院は、一度得点を止められても別のイニングで再び攻撃を作りました。

東京学館浦安が得意とする「低得点の時間」を維持できなかったことで、接戦構造そのものが成立しなくなりました。


初戦の浦和学院とは違う勝ち方だった

浦和学院の2回戦は横浜創学館戦。

序盤3回で6-0としながら、その後は追加点なし。

8回に5点を返され、最終的には6-5でした。

つまり初戦では、

序盤に大きく先行したあと、攻撃が止まり、相手の反撃を受ける

という課題も見えていました。

東京学館浦安戦では違います。

1回に2点を取ったあと、

4回、6回、7回、8回にも得点。

さらに5回に2点を返された直後にも2点を取り返しました。

初戦で止まった「先制後の追加点」が、この試合では最後まで続いています。

大会の中で浦和学院の勝ち方が変化した点としても興味深い試合です。


現在のかなマネInsightから振り返ると

① 大会構造では浦和学院優位

大会前評価は浦和学院A、東京学館浦安B。

さらに浦和学院はベスト4予想に入れていました。

大会構造上、浦和学院を上に置いた判断は結果として機能しました。

② 東京学館浦安の試合距離維持力を浦和学院が壊した

東京学館浦安は文星芸大付戦では、9回まで1点差を維持しました。

しかし今回は1回に2点、4回に2点。

さらに5回に反撃したあとも、6回以降に8点を取られました。

浦和学院は東京学館浦安を、得意な接戦距離から外しました。

③ 浦和学院の再ロックが初戦より強かった

5回に4-2まで縮められました。

それでも6回に2点。

7回に2点。

8回に4点。

相手の反撃直後から再び得点し続けました。

横浜創学館戦では6-0から6-5まで迫られましたが、この試合では同じ形になりませんでした。

④ 得点変換力だけでなく「得点再現力」が高かった

浦和学院は19安打12得点。

ただし重要なのは12点という数字だけではありません。

5つのイニングで得点しています。

一度のBig Inningに依存せず、別の攻撃回でも得点できました。

現在なら、こうした「もう一度得点を作れるか」という再現性も重要な評価材料にします。

⑤ 東京学館浦安には代替構造の限界が出た

玉川投手から江尻投手、そして大家投手へつなぎました。

しかし最終的に浦和学院の攻撃を止められませんでした。

文星芸大付戦では大家投手の完投という強い勝ち筋が成立しましたが、今回はその大家投手でも抑え切れませんでした。

主な勝ち筋が機能しないときに、別の方法で試合を維持できるか。

現在なら、この部分も「代替構造」として見ていきます。

なお、これらは当時から現在と同じ用語で評価していたわけではありません。

現在のかなマネInsightから改めて試合を振り返ったときに、そう整理できるという意味です。


この試合から見えたこと

浦和学院-東京学館浦安は、結果だけを見れば12-2の大差でした。

大会前に浦和学院をベスト4候補としていたことを考えれば、勝ち上がりの方向は見立てと一致しています。

ただ、この試合でより重要なのは、

「接戦型の東京学館浦安を、浦和学院がなぜ接戦にさせなかったのか」

という部分です。

東京学館浦安は5回に2点を返し、一度は4-2まで戻しました。

それでも浦和学院は次の6回に2点を取り返します。

さらに7回2点、8回4点。

一度止められても、もう一度得点する。

一度反撃されても、もう一度距離を広げる。

この繰り返しによって、東京学館浦安の接戦構造を壊しました。

この試合から見えるのは、

  • 「接戦型」という分類を相手に関係なく当てはめないこと
  • 一度得点したあと、別のイニングでも得点を再現できるかを見ること
  • 相手に反撃された直後の攻撃を重視すること
  • 主力投手が通用しなかった場合の代替構造を見ること
  • 大会中の前戦からチームの変化を評価すること

の重要性です。

特に浦和学院は、初戦の横浜創学館戦では6-0から6-5まで迫られました。

その次の試合では、4-2まで戻されたあとに8点を追加しています。

同じ「反撃された試合」でも、その後の対応がまったく違った。

現在のかなマネInsightで大会を振り返るなら、この変化はかなり大きく評価したいポイントです。