2026年春季関東大会2回戦、浦和学院-横浜創学館。
かなマネでは試合前、浦和学院を本命と予想していました。
予想スコアは、
浦和学院 7-4 横浜創学館
想定していたのは、浦和学院が中盤に攻撃の圧を強め、徐々に差を広げて押し切る展開です。
実際に勝ったのも浦和学院。
ただし、試合の進み方はかなり違いました。
浦和学院は中盤ではなく、1回から3回までに一気に6点を先行。
そのまま試合が決まるかと思われましたが、横浜創学館が8回に5点を返し、最後は6-5。
一方的な試合になりかけたところから、最後は1点差まで戻った試合です。
今回は、「浦和学院が勝つ」という予想はなぜ当たったのか。
そして、なぜ6-0から6-5まで試合が戻ったのかを中心に振り返ります。
当時の事前予想
本命:浦和学院
予想スコア:浦和学院 7-4 横浜創学館
展開予想:浦和学院が中盤に攻撃の圧を強めて押し切る展開
大会前データでは、浦和学院は春の埼玉大会で平均11得点。
かなマネでは「爆発型」として見ており、得点力については大会出場校の中でもかなり高く評価していました。
一方の横浜創学館は、神奈川大会で平均失点1点台。
大量失点を抑えながら試合を進める「抑制型」として評価していました。
そのため事前には、
「横浜創学館がある程度耐えるものの、浦和学院の攻撃力が中盤以降に上回る」
という見立てでした。
実際の試合結果
浦和学院 6-5 横浜創学館
浦和学院が序盤に6点先行。横浜創学館が8回に5点を返すも、浦和学院が1点差で逃げ切り
| 学校 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 横浜創学館 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 | 5 |
| 浦和学院 | 1 | 3 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | X | 6 |
浦和学院は1回に1点。
2回に3点。
3回にも2点を追加し、3回終了時点で6-0。
ここまでは完全に浦和学院の試合でした。
しかし、4回以降は浦和学院が追加点を奪えません。
そして8回表。
横浜創学館が2本の本塁打などで一挙5点。
6-5まで詰め寄りました。
9回は浦和学院が無失点で締め、1点差で逃げ切っています。
予想と結果を比較すると
| 項目 | 事前予想 | 実際 |
|---|---|---|
| 勝敗 | 浦和学院 | 浦和学院 |
| 予想スコア | 7-4 | 6-5 |
| 浦和学院の得点 | 7点前後 | 6点 |
| 得点する時間帯 | 中盤に攻撃圧を強める | 1~3回に6点 |
| 終盤 | 浦和学院が押し切る | 横浜創学館が5点を返す |
最終スコアだけを見ると、
予想7-4、実際6-5。
合計得点は予想11点、実際11点で一致しています。
点差も3点差予想から1点差。
数字だけならかなり近く見えます。
ところが、試合内容はまったく違いました。
事前予想では、両校が得点しながら浦和学院が中盤に差を広げるイメージ。
実際は、浦和学院が序盤だけで6-0とし、その後は無得点。
横浜創学館は7回まで無得点だったところから、8回だけで5点を返しています。
最終スコアは近くても、そのスコアができる過程はかなり違っていました。
浦和学院は序盤3イニングで試合を動かした
事前予想では「中盤に攻撃の圧を強める」と見ていました。
しかし、浦和学院の攻撃はそれよりずっと早く始まりました。
1回に1点。
2回に3点。
3回に2点。
3回までに6得点。
大会前の浦和学院は、埼玉大会で平均11得点。
序盤、中盤、終盤のどこでも得点できる攻撃型のチームとして見ていました。
実戦では、その得点力が最初の3イニングに集中しています。
この時点で試合距離は大きく開きました。
横浜創学館からすると、まだ3分の1しか試合が進んでいない段階で6点を追う展開です。
浦和学院が試合の主導権を取る、という方向性自体は予想通りでした。
ただ、
想定していた以上に早く勝ち筋へ入った
というのが実際の内容でした。
上村怜央投手が3回6失点
横浜創学館の先発は上村怜央投手。
3回を投げて、
- 51球
- 被安打9
- 6失点
- 自責点6
でした。
春の神奈川大会では、横浜創学館の失点抑制に大きく貢献していた投手です。
しかし、この試合では浦和学院打線に序盤からつかまりました。
ここは当時の予想で十分に読み切れていなかった部分です。
横浜創学館は大会前データで平均失点1.67。
終盤失点率も低く、守備面の安定感を高く評価していました。
そのため、
「浦和学院が点を取るとしても、少し時間がかかる」
と見ていました。
実際は、その守備構造が序盤で一気に崩れました。
ただし、横浜創学館はそこで試合を終わらせなかった
この試合で非常に興味深いのは、6点を失った後です。
4回から登板した稲嶺啓投手は、
- 3回
- 被安打0
- 奪三振6
- 無失点
という内容。
続く畑木秀斗投手も、
- 2回
- 被安打1
- 無失点
に抑えました。
つまり、横浜創学館は3回までに6失点したあと、
残り5イニングを無失点に抑えています。
ここが、この試合を単純な「序盤で崩れた試合」で終わらせられない理由です。
主構造である先発投手が崩れたあと、継投によって試合をもう一度止めました。
現在のかなマネInsightで見るなら、
主構造が崩れたあとに、別の形で試合を再構築した
と考えることができます。
6-0のまま試合が止まったことが大きかった
浦和学院は3回までに6点を取っています。
しかし4回以降は無得点。
横浜創学館の稲嶺投手、畑木投手を攻略できませんでした。
これは終盤の展開に大きく影響しました。
もし浦和学院が4回以降にも1点、2点と追加していれば、8回の5得点があっても試合は決まっていた可能性が高いです。
ところがスコアは6-0のまま止まりました。
6点差自体は大きいものの、
横浜創学館が反撃するための時間を残してしまった
とも言えます。
ここは現在の予想ではかなり重視したいポイントです。
大きく先行することと、そのリードをさらに固定することは別です。
浦和学院・佐々木蓮也投手は5回1安打無失点
一方、浦和学院の先発・佐々木蓮也投手は非常に安定していました。
- 5回
- 74球
- 被安打1
- 奪三振5
- 2四球
- 無失点
横浜創学館打線をほぼ完全に抑えています。
浦和学院が3回までに6点を取っただけでなく、そのリードを5回まで安全に保てたのは佐々木投手の投球が大きかったと思います。
この時点では、
「浦和学院が先に試合を動かし、投手がその優位を固定する」
という非常にきれいな勝ち筋になっていました。
8回、横浜創学館が一気にアンロック
大きく試合が動いたのは8回です。
横浜創学館は、それまで7イニングで無得点。
しかし8回に川崎進太朗選手の2ラン、高田選手の3ランなどで一挙5点。
6-5まで迫りました。
それまで浦和学院に完全に止められていた攻撃が、一つのイニングで一気につながっています。
現在のかなマネInsightの言葉を使うなら、
長くロックされていた攻撃を、一気にアンロックした場面
です。
しかも単発の1点ではありません。
2本の本塁打によって5点をまとめて奪いました。
一度開いた6点差を、わずか1イニングで1点差まで縮めています。
西村虎龍投手が5失点、伊藤漣投手が止めた
浦和学院は6回から西村虎龍投手へ継投しました。
7回までは無失点でしたが、8回に横浜創学館打線につかまりました。
西村投手の成績は、
- 2回1/3
- 被安打3
- 被本塁打2
- 5失点
です。
6-0から6-5。
ここで浦和学院は伊藤漣投手へ交代しました。
伊藤投手は残り1回2/3を無失点。
横浜創学館の反撃を止め、1点差を守りました。
この継投も重要です。
浦和学院は一度、試合を完全に固定していました。
その構造が8回に崩れました。
しかしそのまま逆転まで許すのではなく、
伊藤投手への交代によってもう一度試合を止めた。
現在の視点なら、この部分は「再ロック」として非常に分かりやすい場面です。
予想は当たった。でも「押し切った」とは言いにくい
試合前には、
「浦和学院が中盤に攻撃の圧を強めて押し切る」
と予想していました。
勝敗は当たりです。
最終的な得点量も、7-4予想に対して6-5なのでかなり近い数字でした。
ただ、実際の内容を「浦和学院が押し切った」と表現するのは少し違うと思います。
浦和学院は序盤に6-0としました。
その後5イニング無得点。
さらに8回に5点を返されました。
最後は伊藤投手が再び試合を締めて逃げ切っています。
つまり実際は、
序盤に大きくアンロック → 中盤は停滞 → 終盤にロックを破られる → 最後に再ロック
という、かなり複雑な試合でした。
現在のかなマネInsightから振り返ると
この試合には、現在重視している考え方がいくつも表れています。
① 浦和学院の得点変換力
序盤3イニングで10安打のうち9安打を集め、6得点。
チャンスをまとまった得点へ変える力は、事前評価どおり非常に高いものでした。
② 横浜創学館の代替構造
先発の上村投手が3回6失点。
それでも稲嶺投手、畑木投手が5回無失点。
最初の形が崩れても、別の投手構成によって試合を立て直しました。
③ 横浜創学館の再アンロック
7回まで無得点だった打線が、8回に5得点。
長い停滞から一度の攻撃で試合を戻しました。
④ 浦和学院の再ロック
6-0から6-5まで迫られましたが、伊藤投手がその後を無失点。
壊れた勝ち筋をもう一度固定して勝利しています。
ただし、これらは当時からこの言葉で評価していたわけではありません。
現在のかなマネInsightから改めて試合を見直したときに、そう整理できるという意味です。
この試合から見えたこと
浦和学院-横浜創学館は、勝敗予想だけなら的中です。
予想スコアの7-4に対して実際は6-5。
数字だけを見ればかなり近い結果でした。
でも、試合内容を追うと見え方は変わります。
同じ11得点の試合でも、その11点がどう生まれたかで試合構造はまったく違う。
浦和学院は序盤だけで6点。
横浜創学館は8回だけで5点。
得点が極端に集中した試合でした。
そして、この試合で特に重要だったのは、
- 序盤に勝ち筋へ入る力
- 主構造が崩れたあとに別の形へ切り替える力
- 大量ビハインドでも試合を戻す力
- 一度崩れたリードを最後にもう一度固定する力
です。
当時は「攻撃力」や「守備力」としてまとめて見ていた部分も、現在ではもう少し細かく分けて考えるようになっています。
特に横浜創学館が6失点後に試合を立て直したことと、浦和学院が5点を返されたあと再び止めたこと。
この2つは、現在のかなマネInsightで重視している「構造が崩れた後にどうするか」を考えるうえで、とても分かりやすい材料だったと思います。