2026年春季関東大会2回戦、山梨学院-水城。
かなマネでは試合前、山梨学院を本命と予想していました。
予想スコアは、
山梨学院 5-1 水城
想定していたのは、山梨学院が守備から試合を締め、中盤以降に加点しながら押し切る展開です。
実際に勝ったのも山梨学院でした。
ただし、試合内容は想定以上に攻撃的でした。
結果は、
山梨学院 10-3 水城。
7回コールドゲームです。
勝敗の方向は合っていましたが、山梨学院の得点量と試合の動き方には大きなズレがありました。
今回は、なぜ「守備を軸に5-1」と見ていた試合が、10-3まで広がったのかを振り返ります。
当時の事前予想
本命:山梨学院
予想スコア:山梨学院 5-1 水城
展開予想:山梨学院が守りから試合を締め、中盤以降に加点して押し切る展開
大会前のかなマネ評価では、山梨学院はSランク。
春の山梨大会3試合で平均8.0得点、平均0.33失点。
2試合のコールド勝ち、2試合の完封勝ちもあり、かなマネでは「抑制型」として高く評価していました。
一方の水城はCランク。
春の茨城大会5試合で平均6.0得点、平均3.6失点。
接戦勝ちが4試合あり、粘り強く試合を残すタイプとして見ていました。
そのため事前には、
山梨学院が大崩れせず、水城の粘りを受けながら徐々に差を広げる
という試合を想定していました。
実際の試合結果
山梨学院 10-3 水城
7回コールドゲーム
| 学校 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 水城 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 3 |
| 山梨学院 | 0 | 3 | 2 | 0 | 0 | 5 | X | 10 |
山梨学院は2回に3点を先制。
3回にも2点を追加し、5-0。
ここまでは完全に山梨学院のペースでした。
しかし4回表、水城が3点を返します。
5-3。
一度は試合距離が縮まりました。
それでも山梨学院は6回裏に一挙5得点。
10-3まで再び差を広げ、そのまま7回コールドで勝利しています。
予想と結果を比較すると
| 項目 | 事前予想 | 実際 |
|---|---|---|
| 勝敗 | 山梨学院 | 山梨学院 |
| 予想スコア | 5-1 | 10-3 |
| 山梨学院の得点 | 5点前後 | 10点 |
| 水城の得点 | 1点前後 | 3点 |
| 試合の形 | 守備から締める | 序盤に先行、反撃後に再び大量得点 |
| 決着 | 数点差で押し切る | 7回コールド |
山梨学院が勝つという予想は的中しました。
一方で、両チームの得点はともに予想を上回っています。
特に山梨学院は5点予想に対して10得点。
守備力を中心に評価するあまり、攻撃側の上振れ幅をかなり小さく見積もっていました。
2回、3回で山梨学院が5点を先行
山梨学院は2回裏に3点を先制しました。
さらに3回にも2点。
3回終了時点で5-0です。
大会前の山梨学院は平均失点0.33という守備面が非常に目立っていました。
そのため、かなマネでも「失点を抑えて勝つチーム」という見方を強くしていました。
しかし実際には、平均得点も8.0。
Big Inning頻度も1.33あり、複数得点をまとめて取る力も持っていました。
この試合では、その攻撃側の特徴が早い段階から出ています。
水城は4回に3点を返した
5-0となったあと、水城もそのまま終わったわけではありません。
4回表、富田亜門選手、大野陽彦選手が安打で出塁。
七字雄琉選手の二塁打などで3点を返しました。
スコアは5-3。
水城は春の茨城大会で接戦勝ち4試合。
大差で押し切るよりも、試合を残しながら勝負するタイプでした。
この4回は、まさにその粘りが出た場面だったと思います。
5点差を一度の攻撃で2点差まで縮め、試合をもう一度勝負できる距離へ戻しました。
ここで山梨学院がすぐに追加点を取らなかったのも面白い
水城が5-3とした直後、山梨学院は4回裏、5回裏と無得点でした。
つまり5回終了時点でも5-3。
水城からすると、まだ次の1点で試合をさらに近づけられる状況でした。
この時間帯だけを見ると、
水城が得意とする接戦構造へ戻りかけていた
とも言えます。
山梨学院が最初の5点だけでそのまま押し切ったわけではありません。
一度は相手に試合を戻されています。
6回裏の5得点が試合を決めた
最大の分岐点は6回裏です。
5-3。
まだ水城が十分に勝負できる点差でした。
ここで山梨学院が一挙5点。
一気に10-3としました。
これによって試合は、
「2点差の接戦」から「一度の攻撃では戻せない試合」
へ変わりました。
水城が4回に作った反撃の流れを、山梨学院がもう一度大きな得点で消しています。
現在のかなマネInsightで振り返るなら、
相手にアンロックされたあと、自分たちの攻撃で再び試合をロックした場面
と見ることができます。
山梨学院は10安打10得点
山梨学院のチーム安打は10本。
得点も10点でした。
打線では、
- 光永惺音選手:1安打3打点
- 金子舜選手:2安打2打点
- 石井陽昇選手:2安打1打点
- 髙橋輝選手:1安打1打点
- 平賀斗馬選手:2安打1打点
- 菅原歩夢選手:1安打1打点
と、複数の打者が得点に関わっています。
特定の1人だけが打ったというより、
上位から下位まで走者を作り、その走者を次の打者が返す形
ができていました。
10安打を10得点へ変えたことを考えると、得点変換力が非常に高く出た試合です。
4つの犠打も得点につながる形を作った
山梨学院はこの試合で4犠打。
大量得点した試合ですが、強打だけで10点を取ったわけではありません。
走者を進めながら得点圏を作り、その後の安打で返す形も使っています。
これは現在の視点で見ると面白い部分です。
攻撃圧=長打を打ち続けることではありません。
出塁、進塁、安打をつなぎながら、1人の走者を得点まで運べるか。
山梨学院はこの試合で、その接続がかなりうまく機能していました。
水城の茅根拓杜投手は一人で6回を投げた
水城の先発・茅根拓杜投手は6回を一人で投げました。
- 6回
- 131球
- 被安打10
- 奪三振3
- 四球3
- 死球2
- 10失点
- 自責点10
山梨学院打線に10得点を許しました。
特に3四球、2死球で、安打以外にも走者を与えています。
山梨学院はその走者を犠打などで進め、得点へ変えていきました。
大量失点の背景には、
安打だけでなく、走者を出した後に山梨学院が攻撃を途切れさせなかったこと
もあったと考えられます。
山梨学院・渡部瑛太投手は6回3失点
山梨学院の先発は渡部瑛太投手。
- 6回
- 90球
- 被安打5
- 奪三振6
- 四球0
- 死球1
- 3失点
4回に3点を失いましたが、それ以外の5イニングは無失点でした。
特に四球0。
水城に余計な走者を与えず、反撃を4回の1イニングに限定しています。
7回は髙橋瞬投手が登板し、無安打無失点。
そのままコールドゲームを成立させました。
事前予想ほど低い失点ではなかったものの、
一度3点を失ったあとに、それ以上崩れなかった
ことは山梨学院の強さだったと思います。
「抑制型」という評価だけでは足りなかった
大会前、山梨学院を「抑制型」と整理していました。
平均失点0.33。
大量失点回0。
守備面の数字が非常に強かったためです。
その結果、予想スコアも5-1と比較的ロースコア寄りに置きました。
しかし、この試合を見ると山梨学院には別の顔もありました。
2回に3点。
3回に2点。
6回に5点。
必要な場面では一気に複数得点を作れる。
守備型だからロースコアになるとは限りません。
失点を抑えられるうえに、自分たちは大量得点できるチームなら、むしろ点差は大きくなりやすくなります。
水城の「接戦型」が6回に壊れた
水城は大会前、接戦型として見ていました。
春の茨城大会では接戦勝ち4試合。
この試合でも4回に3点を返し、5-3まで戻しています。
ここまでは水城の特徴が出ていました。
しかし6回の5失点で、その構造が崩れます。
水城にとって重要だったのは、
5-3をどこまで維持できるか
でした。
そこを維持できれば、終盤にもう一度得点する可能性が残ります。
実際には山梨学院がその時間を与えませんでした。
現在のかなマネInsightから振り返ると
① 大会構造では山梨学院優位
大会前評価は、
山梨学院 S、水城 C。
基礎評価にはかなり大きな差がありました。
山梨学院本命という判断は、そのまま結果に表れています。
② 山梨学院の得点変換力を過小評価していた
10安打で10得点。
4犠打も使いながら、走者を得点へつなげました。
単純な打力だけでなく、出塁から得点までの接続が非常に良かった試合です。
③ 水城には一度試合を戻す力があった
0-5から4回に3得点。
接戦型として見ていた水城の粘りは、この場面に出ています。
勝敗は大差になりましたが、水城がまったく勝負できなかった試合ではありません。
④ 山梨学院の再ロックが強かった
5-3まで戻されたあと、6回に5点。
一度縮められた試合距離を、もう一度一気に広げています。
現在なら、この「相手に反撃された後の次の得点」をかなり重視します。
なお、これらは当時から現在と同じ言葉で評価していたわけではありません。
現在のかなマネInsightから改めて振り返ったときに、そう整理できるという意味です。
この試合から見えたこと
山梨学院-水城は、勝敗予想としては的中でした。
山梨学院本命という見立ても、大会前の評価差から考えて自然だったと思います。
一方で、
「守備力が高いチーム=ロースコアで勝つ」という見方に寄りすぎていました。
山梨学院は守備だけでなく、複数得点をまとめる攻撃力も持っていました。
さらに水城に5-3まで迫られたあと、6回に5点を取って再び試合を大きく動かしています。
この試合から見えるのは、
- 守備型のチームでも攻撃の上振れ幅を見ること
- 平均得点だけでなくBig Inningを作る頻度を見ること
- 相手に反撃された直後の攻撃を評価すること
- 接戦型の相手を、どのタイミングで接戦から外せるかを見ること
の重要性です。
勝敗だけなら「山梨学院本命で的中」。
でも試合を追うと、山梨学院の強さは「失点しないこと」だけではありませんでした。
相手が試合を戻してきても、もう一度大きな得点を作って勝負を終わらせる。
この部分まで含めて評価する必要があった試合だったと思います。