横浜-健大高崎|予想と試合分析【2026年春季関東大会】

2026年春季関東大会準々決勝、横浜-健大高崎。

大会前のかなマネでは、健大高崎を優勝候補、横浜をベスト8候補としていました。

つまり大会全体での評価は、

健大高崎を横浜より上。

この準々決勝を大会前の勝ち上がり予想だけで見れば、勝ち進む側として考えていたのは健大高崎でした。

しかし実際に勝ったのは横浜です。

結果は、

横浜 4-3 健大高崎。

横浜が9回表に2点を奪い、逆転勝ちしました。

大会前評価では健大高崎が上。

それでも実戦では横浜が最後に試合をひっくり返しています。

この試合は、

「大会前にどちらを強く見ていたか」と「この直接対戦でどちらが勝ち筋を作れたか」は別に考える必要がある

ことがよく分かる一戦です。


当時の大会前評価

健大高崎:大会前S評価・優勝予想

横浜:大会前A評価・ベスト8予想

この準々決勝単独のスコア予想は確認できないため、大会前評価と実際の試合内容を比較して振り返ります。

大会前の健大高崎は、かなマネ評価でSランク。

春の群馬大会6試合で、

  • 平均得点10.17
  • 平均失点1.50
  • コールド勝ち5
  • 完封勝ち3
  • 大量失点回頻度0.17

という非常に強い内容でした。

総合評価も93.7。

攻撃力と失点抑制の両方が高いことから、大会前には優勝候補としていました。

一方の横浜もA評価。

神奈川1位として関東大会に入り、十分に上位を狙えるチームとして見ていました。

ただし勝ち上がり予想ではベスト8。

この健大高崎戦を、大会前の評価上では一つの壁として考えていたことになります。


実際の試合結果

横浜 4-3 健大高崎

9回表に横浜が2点を奪って逆転。池田聖摩投手が9回裏を三者凡退に抑え、準決勝進出。

学校 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
横浜 1 0 0 0 0 1 0 0 2 4
健大高崎 0 1 1 0 0 0 1 0 0 3

横浜が初回に1点を先制。

健大高崎は2回に同点。

3回には逆転して2-1としました。

横浜は6回に追いつきますが、7回裏に健大高崎が再び勝ち越し。

3-2。

そのまま9回へ入ります。

そして9回表。

横浜が2点を奪い、4-3と逆転。

9回裏を池田聖摩投手が三者凡退に抑え、試合を終えました。


大会前評価では健大高崎。でも試合はほぼ互角だった

大会前評価だけを見ると、健大高崎はS、横浜はA。

しかも健大高崎は優勝予想でした。

それだけを見ると、健大高崎がある程度優位に試合を進める展開も考えられます。

しかし実際の数字は、

横浜6安打、健大高崎5安打。

得点も4-3。

ほぼ完全な接戦です。

さらに横浜は失策0。

健大高崎には複数の失策がありました。

この1試合だけを見ると、大会前の総合評価ほど大きな力の差は表れていません。


1回、横浜が相手の守備のズレを得点に変えた

横浜は初回、1死から小林大雅選手が遊撃手の失策で出塁しました。

その後、盗塁で二塁へ。

池田聖摩選手の遊ゴロで三塁まで進みます。

2死三塁。

ここで安食琥太郎選手の打球を三塁手が処理できず、小林選手が生還。

横浜が1-0と先制しました。

この得点に安打はありません。

相手のミスで出た走者を、盗塁と進塁打で三塁まで進め、さらに次の守備のズレを得点に変えました。

単純な打力だけではなく、相手が与えた小さなズレを得点へ変換した1点です。


健大高崎はすぐに石田翔大選手の本塁打で追いついた

2回裏。

健大高崎は石田翔大選手が左翼へ本塁打。

1-1の同点としました。

横浜が相手の守備のズレを使って取った1点に対し、健大高崎は一振りで試合を戻しています。

大会前から高く評価していた健大高崎の攻撃力が出た場面です。

ただし、この試合ではここから大量得点にはつながりませんでした。


3回、健大高崎が勝ち越した

3回裏。

溝口寛人選手が四球で出塁。

木村守那選手が送りバント。

石田雄星選手の一ゴロで走者が三塁まで進みます。

2死三塁から岩井由來選手が適時打。

健大高崎が2-1と勝ち越しました。

こちらは本塁打ではなく、

四球 → 犠打 → 進塁打 → 適時打

という形です。

健大高崎は強打だけでなく、一人の走者を少しずつ前へ進めて得点する攻撃もできていました。


それでも織田翔希投手が試合を壊さなかった

横浜の先発は織田翔希投手。

3回までに2点を失いました。

健大高崎は大会前、平均10点以上を取っていたチームです。

さらに初戦の佐野日大戦では3得点にとどまっていたため、この準々決勝では再び打線が動く可能性も考えられました。

しかし織田投手は、そこから大きく崩れません。

4回は三者凡退。

5回も三者凡退。

6回も三者凡退。

2-1とされた後の3イニングで、健大高崎の攻撃を止めました。

先に2点を取られても、そこから試合距離を広げさせなかった。

この時間が横浜の反撃につながります。


6回、田島陽翔選手の一発で横浜が追いついた

横浜は6回表。

2死走者なしから田島陽翔選手が右翼へソロ本塁打。

2-2。

この得点も重要です。

横浜は3回、4回と得点圏に走者を進めながら、得点できませんでした。

5回は三者凡退。

それでも攻撃が完全に止まったわけではなく、6回に一振りで同点に戻しました。

現在のかなマネInsightから見るなら、

健大高崎に一度試合をロックされかけたところからの再アンロック

と整理できます。


7回、健大高崎が再び3-2と前に出た

同点にされた健大高崎も、そのまま流れを渡しませんでした。

7回裏に1点を追加。

3-2と再び勝ち越します。

横浜が追いつく。

健大高崎がまた前へ出る。

この時点では、

健大高崎が横浜の再アンロックに対して、もう一度リードを作り直した

形です。

しかも残りは2イニング。

大会前に優勝候補としていた健大高崎が、そのまま逃げ切る可能性は十分にありました。


横浜は7回の得点機を生かせなかった

実は横浜は7回表にも得点機を作っていました。

千島大翼選手が安打で出塁。

送りバントなどで走者を進めています。

しかし得点できませんでした。

この試合では横浜も、作った走者をすべて得点へ変換できていたわけではありません。

それでも試合から離れなかったことが重要です。

3-2のまま8回を終え、最後の9回まで1点差を維持しました。


9回表、小林大雅選手が試合を振り出しに戻した

最大の分岐点は9回表です。

横浜は2-3。

あとアウト3つで敗退という状況でした。

先頭の千島大翼選手が中前安打。

小野舜友選手が送りバントを決めます。

1死二塁。

ここで小林大雅選手が中越えの適時二塁打。

3-3。

横浜が土壇場で追いつきました。

この1点は、

出塁 → 犠打 → 適時長打

という非常に分かりやすい得点です。

一人の走者を確実に得点圏へ送り、その機会を小林選手が得点へ変えました。


同点で終わらず、さらに勝ち越した

横浜の強さが出たのは、その後です。

3-3に追いついたあと、池田聖摩選手が四球。

健大高崎は投手を交代します。

そして河内景虎選手の打球を投手が処理。

このプレーで悪送球が生まれ、二塁走者が生還しました。

4-3。

横浜が逆転します。

初回の1点と同じように、

最後の勝ち越し点も健大高崎の守備のズレを横浜が得点へ変えた形

になりました。

相手のミスだけで勝ったという意味ではありません。

ミスが起きる前に走者を出し、得点圏まで進め、相手に守備プレーをさせていることが重要です。


健大高崎の3失策が勝敗に与えた影響

公式記録では健大高崎に3失策。

一方の横浜は失策0でした。

4-3という1点差ゲームでは、この差を無視できません。

特に横浜の初回の得点と9回の勝ち越しには、健大高崎の守備のミスが関わっています。

もちろん、失策だけで試合を説明するのは適切ではありません。

横浜側も、

  • 走者を出す
  • 盗塁や犠打で進める
  • 次の塁を狙う
  • 守備側にプレーを要求する

という工程を作っています。

接戦では「どちらが多く打つか」だけではなく、相手の小さなズレをどちらが得点まで運べるかも重要になる。

この試合はその例だったと思います。


9回裏、池田聖摩投手が一気に試合を閉じた

横浜は9回表に逆転。

しかしリードはわずか1点です。

しかも相手は大会前優勝候補の健大高崎。

まだ試合は終わっていません。

9回裏、横浜は池田聖摩投手がマウンドに立ちます。

4番・佐藤麻恩選手を空振り三振。

5番・石田翔大選手も空振り三振。

最後は代打・田原太平選手を一ゴロ。

三者凡退。

逆転した直後の最終回を、一人も走者を出さずに終わらせました。

横浜の勝利を考えるうえで、この9回裏は9回表と同じくらい重要です。


池田聖摩投手への切り替えが機能した

先発の織田翔希投手は7回1/3を投げました。

  • 7回1/3
  • 99球
  • 被安打5
  • 被本塁打2
  • 奪三振7
  • 四球1
  • 死球1
  • 3失点

健大高崎打線を3点に抑え、最後まで勝負できる試合を作りました。

そこから池田投手へ交代。

池田投手は1回2/3を、

  • 被安打0
  • 奪三振3
  • 四死球0
  • 無失点

に抑えています。

先発が試合を作り、終盤に別の投手へ切り替えて相手打線を止める。

現在のかなマネInsightでいう投手役割可変性が、非常に分かりやすく機能した試合です。


健大高崎の北田莉玖投手も7回2失点

一方、健大高崎の先発・北田莉玖投手も好投しました。

  • 7回
  • 94球
  • 被安打3
  • 被本塁打1
  • 四球4
  • 死球1
  • 2失点
  • 自責点1

横浜打線を7回まで3安打2得点に抑えています。

健大高崎が7回裏に3-2と勝ち越した時点では、十分に勝てる試合を作っていました。

つまりこの敗戦を、

「健大高崎の投手力が横浜に通用しなかった」

と整理するのは違います。

むしろ8回まで、健大高崎側にも明確な勝ち筋がありました。


8回以降の継投で試合が変わった

健大高崎は北田投手から則永大輔投手へ継投。

則永投手は1回1/3を投げ、3安打2失点。

その後、9回途中から神崎翔斗投手へ切り替えました。

結果的に横浜の9回の攻撃を止め切ることができませんでした。

ここは、横浜との大きな違いです。

横浜は織田投手から池田投手へ切り替え、その池田投手が無安打無失点。

健大高崎は北田投手から継投した終盤に、横浜の逆転を許しました。

先発同士の比較だけでは見えない、終盤の投手交代後の差

が勝敗に表れました。


初戦の内容をもっと強く反映すべきだった

この試合を予想改善という視点から振り返ると、両校の初戦も重要です。

横浜は国士舘を9-1、7回コールドで破りました。

9安打9得点。

投手陣は国士舘を1安打に抑えています。

一方の健大高崎は、佐野日大に3-2。

県大会では平均10.17得点だった打線が、初戦では2回の3点だけに終わりました。

しかも3回以降は無得点。

大会前の総合評価では健大高崎が上でも、

関東大会に入ってからの1試合を見ると、横浜は上向き、健大高崎は攻撃面に少し不安を残していた

と見ることもできます。

大会前評価だけでなく、大会中の実戦を使って評価を更新する必要がありました。


健大高崎は「優勝候補だから勝つ」ではなかった

大会前の健大高崎は非常に高い数字を残していました。

平均10.17得点。

平均1.50失点。

コールド勝ち5。

完封勝ち3。

S評価、優勝予想にした根拠は十分にありました。

それでもトーナメントでは、

その強さが今回の相手にどのように出るか

をもう一段考える必要があります。

横浜は健大高崎に大量得点を許さず、最後まで1点差以内を維持しました。

つまり健大高崎が県大会で作っていた「大量得点して相手を離す試合」を、横浜は成立させませんでした。


横浜は大差勝ちから接戦勝ちへ勝ち方を変えた

横浜の初戦は国士舘戦。

9-1の7回コールド勝ちでした。

しかし健大高崎戦では、

9回表まで2-3。

まったく違う試合です。

国士舘戦のように中盤までに大きな点差を作れない。

それでも横浜は試合から離れませんでした。

先発の織田投手が3失点に抑える。

6回に一度追いつく。

7回に再び勝ち越されても1点差を維持する。

9回にもう一度追いつき、そのまま逆転。

大差を作れなくても、別の勝ち方へ切り替えられた。

これは大会を勝ち上がるうえで非常に重要な力だったと思います。


現在のかなマネInsightから振り返ると

① 大会構造では健大高崎優位だった

大会前評価は健大高崎S、横浜A。

勝ち上がり予想も健大高崎優勝、横浜ベスト8。

大会前の材料だけで見れば、健大高崎を上に評価する理由はありました。

② 試合構造では横浜が健大高崎の強みを制限した

健大高崎の最大の特徴の一つは高い得点力でした。

しかし横浜は5安打3失点に抑えています。

健大高崎を大量得点の試合へ入れませんでした。

相手の強みを消したことで、大会構造上の差を直接対戦の中で縮めています。

③ 横浜の試合距離維持力が強かった

1-2になっても離れない。

2-3になっても離れない。

9回まで1点差を維持しました。

最後に逆転するためには、まず逆転可能な距離に残っている必要があります。

その時間を織田投手を中心に作れたことが大きかったと思います。

④ 横浜は二度再アンロックした

6回に1-2から2-2。

7回に再び2-3とされます。

それでも9回に3-3。

一度ではなく、二度ビハインドから試合を戻しました。

現在なら、この「何度でも試合を開き直せるか」を再アンロック力として評価します。

⑤ 9回は攻守接続が非常にきれいだった

9回表に2点を取って逆転。

その直後、池田投手が9回裏を三者凡退。

攻撃で作った1点差を、守備側がすぐに固定しました。

得点することと、その得点を勝利へ変えることがきれいにつながった

場面です。

⑥ 投手役割可変性の差も出た

横浜は織田投手から池田投手へ。

池田投手は1回2/3を無安打無失点。

一方の健大高崎は北田投手から則永投手、神崎投手へつなぎましたが、9回に逆転を許しました。

先発の力だけでなく、その後の役割変更まで含めて見る必要があります。

なお、これらは当時から現在と同じ用語で予想していたわけではありません。

現在のかなマネInsightから改めてこの試合を振り返ったときに、そう整理できるという意味です。


この試合から見えたこと

横浜-健大高崎は、大会前予想を振り返るうえで特に重要な試合です。

健大高崎はS評価。

優勝予想。

横浜はA評価。

ベスト8予想。

そのため結果だけを見れば、

かなマネの大会前予想を横浜が覆した試合

です。

ただ、単純に「健大高崎を高く評価しすぎた」で終わらせるのも違います。

健大高崎は8回まで3-2とリード。

北田投手も7回2失点。

十分に勝てる試合を作っていました。

それでも横浜は最後まで1点差から離れませんでした。

そして9回、

千島選手の安打。

小野選手の送りバント。

小林選手の適時二塁打。

さらに相手の守備のズレを得点へ変えて逆転。

最後は池田投手が三者凡退。

この試合から見えるのは、

  • 大会前評価と直接対戦の相性を分けて考えること
  • 大会中の実戦内容から評価を更新すること
  • 相手の最大の強みをどこまで制限できるかを見ること
  • ビハインドでも逆転可能な試合距離を維持できるかを見ること
  • 一度追いついた後、再び勝ち越されてももう一度戻せるかを見ること
  • 終盤の継投まで含めて勝ち筋を評価すること
  • 得点した直後に守備で試合を固定できるかを見ること

の重要性です。

特に、健大高崎は県大会で平均10点以上を取っていました。

しかし関東大会では佐野日大戦が3得点、この横浜戦も3得点。

一方の横浜は国士舘戦で9-1と勝ち、この試合では大差勝ちとはまったく違う4-3の逆転勝ちを見せました。

大会前の「強さ」を固定したまま見るのではなく、大会の中で実際にどんな勝ち方ができているかを更新していく。

この試合は、現在のかなマネInsightにつながる大きな材料だったと思います。