山梨学院-専大松戸|予想と試合分析【2026年春季関東大会】

2026年春季関東大会準々決勝、山梨学院-専大松戸。

大会前のかなマネでは、山梨学院をベスト4候補、専大松戸をベスト8候補としていました。

つまり、大会全体での評価では山梨学院を上に見ていた対戦です。

実際に勝ったのも山梨学院でした。

ただし、その勝ち方はまったく想像しやすいものではありませんでした。

結果は、

山梨学院 11-10 専大松戸。

6回終了時点では専大松戸が8-2。

山梨学院は6点差を追いかけていました。

そこから7回表に一挙8得点。

10-8と、一つの攻撃で試合をひっくり返します。

さらに8回にも1点を追加。

専大松戸も9回裏に2点を返しましたが、最後は11-10。

大会前評価だけを見れば「山梨学院が勝った試合」ですが、

実際には山梨学院の得意と考えていた勝ち方とはかなり違う形で勝った試合

でした。


  1. 当時の大会前評価
  2. 実際の試合結果
  3. 大会前の見立てと結果を比較すると
  4. 序盤は専大松戸が少しずつ試合を動かした
  5. 4回、山梨学院が2-2まで戻した
  6. それでも専大松戸はすぐに3-2と勝ち越した
  7. 5回も専大松戸が追加点
  8. 6回裏、専大松戸が一気に8-2まで広げた
  9. 6点差。この時点で山梨学院の「主な勝ち筋」は崩れていた
  10. 7回表、山梨学院が8得点
  11. 7回は「8点取った」だけではなく、何度も攻撃をつなぎ直している
  12. 専大松戸は継投しても再ロックできなかった
  13. 村橋照平選手の2点打で一気に逆転まで行った
  14. 8回にも1点を追加したことが最後に効いた
  15. 「大量得点の次の1点」をどう見るか
  16. 専大松戸は9回にもう一度試合を開いた
  17. 山梨学院は最後まで完全にはロックできなかった
  18. 山梨学院は3投手で10失点
  19. それでも山梨学院が勝てたことに意味がある
  20. 専大松戸も「バランス型」らしい強さは出していた
  21. 前戦の内容から評価を更新できたか
  22. この試合は「守備型対バランス型」では説明できない
  23. 現在のかなマネInsightから振り返ると
    1. ① 大会構造では山梨学院優位
    2. ② 試合構造では6回まで専大松戸が上回った
    3. ③ 山梨学院の再アンロック力が極端に強く出た
    4. ④ 代替構造が山梨学院側にあった
    5. ⑤ 8回の1点は得点変換力以上に重要だった
    6. ⑥ 再ロックは完全ではなかった
  24. この試合から見えたこと

当時の大会前評価

山梨学院:大会前S評価・ベスト4予想

専大松戸:大会前B+評価・ベスト8予想

この準々決勝単独のスコア予想は確認できないため、大会前評価と実際の試合内容を比較して振り返ります。

山梨学院は春の山梨大会3試合で、

  • 平均得点8.00
  • 平均失点0.33
  • Big Inning頻度1.33
  • 大量失点回0
  • コールド勝ち2
  • 完封勝ち2

という内容でした。

かなマネではS評価、「抑制型」と整理していました。

一方の専大松戸は春の千葉大会5試合で、

  • 平均得点7.40
  • 平均失点3.00
  • Big Inning頻度0.80
  • コールド勝ち2
  • 接戦勝ち2
  • 完封勝ち1

という成績。

B+評価のバランス型として見ていました。

大会前の数字だけなら、

山梨学院が失点を抑えながら試合を作る

という見方がしやすい組み合わせでした。

しかし実際には、両校合わせて21得点。

山梨学院自身も10失点しています。


実際の試合結果

山梨学院 11-10 専大松戸

6点差を追った山梨学院が7回に8得点。一気に逆転し、専大松戸の9回の反撃を1点差でしのいで準決勝進出。

学校 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
山梨学院 0 0 0 2 0 0 8 1 0 11
専大松戸 0 1 1 1 1 4 0 0 2 10

専大松戸は2回から6回まで5イニング連続で得点。

6回裏には4点を追加し、8-2。

この時点では専大松戸が完全に主導権を握ったように見えました。

しかし7回表、山梨学院が8点。

一気に10-8と逆転します。

さらに8回にも1点を加えて11-8。

専大松戸は9回裏に2点を返しましたが、あと1点届きませんでした。


大会前の見立てと結果を比較すると

項目 大会前の見立て 実際
勝ち上がり 山梨学院 山梨学院
山梨学院の特徴 失点を抑える抑制型 10失点しながら11得点
専大松戸 バランス型 6回まで8-2と優位
試合の決まり方 山梨学院が安定して進める想定 6点差から一挙8得点で逆転
最終形 山梨学院がベスト4進出 11-10の1点差

勝ち上がった学校だけを見れば、大会前予想通りです。

ただし、

「なぜ山梨学院が勝ったか」は、大会前に高く評価していた理由とはかなり違います。

山梨学院は守備で試合を締めたのではありません。

10点を失いました。

しかも6回終了時には6点差をつけられています。

そこから攻撃によって試合そのものを作り直しました。


序盤は専大松戸が少しずつ試合を動かした

専大松戸は2回裏に先制します。

吉岡伸太朗選手が四球で出塁。

盗塁で二塁へ進み、吉田颯人選手の適時打で1-0。

3回にも1点を追加し、2-0。

一気に大量得点するのではなく、少しずつ得点を積み上げていました。

山梨学院は大会前、平均失点0.33。

県大会ではほとんど失点しないチームでした。

ところがこの試合では、

早い段階から専大松戸がその抑制力を崩しています。


4回、山梨学院が2-2まで戻した

山梨学院も4回表に反撃します。

菅原歩夢選手が四球で出塁。

住友輝人選手が送りバント。

2死二塁から藤田蒼海選手が適時打。

さらに光永惺音選手も適時打で続きます。

2-2。

2点差を一度の攻撃で振り出しに戻しました。

ここでは、

出塁 → 犠打 → 適時打 → 適時打

と攻撃がきれいにつながっています。

山梨学院がこのまま自分たちの試合へ戻す可能性も十分にありました。


それでも専大松戸はすぐに3-2と勝ち越した

4回裏。

山梨学院が追いついた直後、専大松戸が再び1点を奪います。

山梨学院の守備のミスも絡み、3-2。

専大松戸がもう一度前へ出ました。

ここは重要です。

山梨学院が2-2まで試合を戻した直後。

専大松戸はその流れをすぐに止めました。

現在のかなマネInsightで見れば、

山梨学院の再アンロックに対して、専大松戸がすぐに再ロックした場面

と考えられます。


5回も専大松戸が追加点

専大松戸は5回にも1点を追加。

4-2としました。

2回から、

1点。

3回に1点。

4回に1点。

5回にも1点。

4イニング連続得点です。

山梨学院は一度に大量失点しているわけではありません。

それでも、

毎回のように少しずつ失点を積み上げられていました。

県大会では見られなかった形です。


6回裏、専大松戸が一気に8-2まで広げた

6回裏。

専大松戸はさらに試合を大きく動かします。

山梨学院の守備のミスから走者を出し、柴田樹選手が安打。

石﨑翔斗選手の適時打で5-2。

ここで山梨学院は渡部瑛太投手から髙橋瞬投手へ交代します。

しかし直後、

宮尾日色選手が3点本塁打。

8-2。

6点差となりました。

この時点で試合はかなり専大松戸側へ傾いています。

山梨学院は大会前S評価。

専大松戸はB+評価。

しかし実戦では、B+評価の専大松戸がS評価の山梨学院を6回まで大きくリードしていました。


6点差。この時点で山梨学院の「主な勝ち筋」は崩れていた

大会前の山梨学院を評価した大きな理由は失点抑制です。

県大会3試合で平均失点0.33。

大量失点回0。

完封勝ち2。

しかし、この試合では6回までに8失点。

いつものように、

失点を抑えて少ないリードを守る

という勝ち方は完全に使えなくなっていました。

8-2。

ここから勝つには、別の勝ち方が必要です。

そして山梨学院は、その別の勝ち方を実際に作りました。


7回表、山梨学院が8得点

この試合最大の分岐点です。

7回表。

山梨学院は2-8。

6点を追いかけていました。

先頭の髙橋輝選手が内野安打。

そこから走者を重ねます。

代打・久保奏太選手の適時打で3-8。

住友輝人選手も安打を放ち、満塁。

島田達矢選手の適時打で4-8。

専大松戸は門倉昂大投手から畠山真大投手へ継投します。

しかし藤田蒼海選手への死球で押し出し。

5-8。

ここでさらに小俣太陽投手へ交代します。

それでも山梨学院の攻撃は止まりません。

光永惺音選手の適時打で6-8。

金子舜選手の打球を投手が処理し切れず7-8。

石井陽昇選手の三ゴロの間に1点が入り、8-8。

そして2死二、三塁。

代打・村橋照平選手が中前へ2点適時打。

10-8。

6点差を一つのイニングでひっくり返しました。


7回は「8点取った」だけではなく、何度も攻撃をつなぎ直している

この8得点は、一本の本塁打で一気に取ったものではありません。

適時打。

死球。

相手の守備のミス。

内野ゴロ。

代打の適時打。

さまざまな形で得点しています。

さらに専大松戸はこの回、

門倉投手。

畠山投手。

小俣投手。

河又投手。

と投手を次々に交代しました。

それでも山梨学院は攻撃を止めませんでした。

相手が守備側の形を変えるたびに、その次の投手にも対応して得点を続けた。

ここは、現在のかなマネInsightで見ると非常に重要です。


専大松戸は継投しても再ロックできなかった

専大松戸は6回まで8-2。

かなり勝利に近い位置にいました。

しかし7回に山梨学院の攻撃が始まった後、

試合を止める投手を作れませんでした。

門倉投手は6回まで投げ、最終的に7失点。

畠山投手は打者1人に死球を与えて1失点。

小俣投手も2失点。

河又投手も1失点。

山梨学院にとっては、

相手が投手を変えたところが攻撃終了の合図にはなりませんでした。

専大松戸は主導権を持っていたのに、その主導権を守るための代替構造が機能しなかった。

そう見ることができます。


村橋照平選手の2点打で一気に逆転まで行った

山梨学院の7回は、8-8と追いついた時点でも十分に大きな攻撃です。

ただ、そこで終わりませんでした。

2死二、三塁。

代打・村橋照平選手。

初球を中前へ運び、2者が生還。

10-8。

この2点は非常に大きいです。

もし8-8で終わっていれば、専大松戸には同点の状態から攻撃する機会がありました。

しかし山梨学院は、

「追いつく」だけでなく、そのイニングのうちに「勝ち越す」ところまで行った。

これによって試合の構造が完全に変わりました。


8回にも1点を追加したことが最後に効いた

山梨学院は7回の8得点だけで終わりません。

8回表にも1点を追加。

11-8としました。

この1点は、最終結果を見るとかなり重要です。

専大松戸は9回裏に2点を返しています。

もし山梨学院が7回の10-8で攻撃を終え、その後追加点を取れていなければ、

9回の2点で10-10。

同点になっていました。

つまり、

7回の大逆転だけでなく、8回に取った「もう1点」まで含めて勝利につながった

と見る必要があります。


「大量得点の次の1点」をどう見るか

大量得点した直後は、その8点に目が行きます。

ただし試合構造として見るなら、その後も重要です。

山梨学院は7回に8点。

その時点で10-8。

まだ2点差しかありません。

専大松戸の攻撃力を考えると、安全な点差ではありません。

そこで8回にも1点。

3点差へ広げました。

この1点が結果的に決勝点になっています。

一度大きく試合を動かしたあと、次の得点を取れるか。

現在なら、ここもかなり重視して見たい部分です。


専大松戸は9回にもう一度試合を開いた

専大松戸も、そのまま終わりませんでした。

9回裏。

11-8から2点を奪います。

11-10。

再び1点差まで戻しました。

6回に8-2まで広げた試合を、7回に一度ひっくり返される。

普通ならそのまま崩れても不思議ではありません。

それでも専大松戸は最後にもう一度得点しています。

一度大逆転されたあとでも、再び試合を動かす力は残っていました。

この点は専大松戸側の強さとして見ておきたいところです。


山梨学院は最後まで完全にはロックできなかった

一方で山梨学院側から見ると、課題も残りました。

7回に8点を取って逆転。

8回に1点を追加。

11-8。

それでも9回に2点を失っています。

つまり、

攻撃で試合をひっくり返すことには成功したものの、その後を完全に固定できたわけではありません。

最終的には11-10。

最後まで1点差の試合になりました。

これは次の試合を見るうえでも重要な材料になります。


山梨学院は3投手で10失点

山梨学院は3投手を起用しました。

先発の渡部瑛太投手は5回1/3。

  • 90球
  • 被安打7
  • 3奪三振
  • 3四球
  • 1死球
  • 7失点
  • 自責点5

でした。

続く髙橋瞬投手は3回1/3で5安打3失点。

最後は竹下翔太投手が1/3回を無失点で終えています。

投手陣合計では12安打10失点。

大会前の「抑制型」というイメージとは大きく異なる内容でした。


それでも山梨学院が勝てたことに意味がある

この10失点だけを見ると、山梨学院の大会前評価が間違っていたようにも見えます。

ただ、少し違う見方もできます。

大会前には、

「失点を抑えられるから強い」

という部分をかなり重く見ていました。

しかし、この試合ではその強みが完全に機能しませんでした。

それでも勝っています。

つまり山梨学院には、

主な勝ち筋が崩れても、別の勝ち方へ切り替えられる可能性

がありました。

ここは当時より、現在のかなマネInsightで高く評価したい部分です。


専大松戸も「バランス型」らしい強さは出していた

専大松戸は敗れました。

しかし6回までの内容は非常に良いものでした。

2回から6回まで5イニング連続得点。

一発だけでなく、

  • 適時打
  • 盗塁
  • 相手失策
  • 本塁打

と複数の方法で得点しています。

花咲徳栄戦では11得点。

この山梨学院戦でも10得点。

大会前B+評価でしたが、

関東大会に入ってからの攻撃力は大会前評価より高く見直す余地があった

と思います。


前戦の内容から評価を更新できたか

山梨学院の初戦は水城戦。

10-3で7回コールド勝ち。

山梨学院は10安打10得点を記録しました。

一方の専大松戸は花咲徳栄戦で11-4。

12安打11得点。

つまり準々決勝に入る時点で、

両校とも初戦で10点以上を取っていました。

大会前は山梨学院を抑制型、専大松戸をバランス型と整理していましたが、

関東大会に入ってからの実戦では、両校とも攻撃面が大きく出ていました。

この情報をもっと強く反映できていれば、

ロースコア寄りではなく、得点の動く試合になる可能性をより高く見られたかもしれません。


この試合は「守備型対バランス型」では説明できない

大会前の分類だけなら、

山梨学院=抑制型。

専大松戸=バランス型。

でした。

しかし実際は11-10。

分類とはまったく違う試合です。

これは分類が無意味ということではありません。

チーム分類は、そのチームがいつでも同じ試合をするという意味ではない

ということです。

相手との組み合わせ。

その日の投手。

守備のミス。

得点後の反応。

継投。

それらによって、実際の試合構造は大きく変わります。


現在のかなマネInsightから振り返ると

① 大会構造では山梨学院優位

大会前評価は山梨学院S、専大松戸B+。

勝ち上がり予想も山梨学院ベスト4、専大松戸ベスト8。

最終的な勝者という意味では、大会構造上の評価は結果につながりました。

② 試合構造では6回まで専大松戸が上回った

2回から6回まで5イニング連続得点。

6回終了時点で8-2。

大会前評価とは逆に、実戦では専大松戸が圧倒的に優位な時間を長く作りました。

③ 山梨学院の再アンロック力が極端に強く出た

2-8。

6点差。

そこから7回に8得点。

一度閉じられた試合を開き直すどころか、一気に逆転まで進みました。

現在なら、この試合は再アンロック力を見る代表例の一つになります。

④ 代替構造が山梨学院側にあった

山梨学院の主な勝ち筋だった失点抑制は崩れました。

それでも、

守備で勝てないなら攻撃で勝つ

という別の構造へ切り替えています。

一方、専大松戸は7回に継投を重ねましたが、山梨学院の攻撃を止める代替構造を作れませんでした。

⑤ 8回の1点は得点変換力以上に重要だった

7回に8点を取ったことが最も目立ちます。

しかし実際の勝敗を決めたのは、8回に追加した1点でした。

結果は11-10。

大量得点の後にもう一度得点できたことが、最終的な勝利につながっています。

⑥ 再ロックは完全ではなかった

山梨学院は逆転後、専大松戸を完全には止められませんでした。

9回に2失点。

最後は1点差です。

「逆転できたか」だけでなく、

逆転後にその勝ち筋をどこまで固定できるか

まで見る必要があります。

なお、これらは当時から現在と同じ言葉で予想していたわけではありません。

現在のかなマネInsightから改めてこの試合を振り返ったときに、そう整理できるという意味です。


この試合から見えたこと

山梨学院-専大松戸は、大会前の勝ち上がり予想だけを見れば山梨学院で的中です。

しかし、この試合を「山梨学院が予想通り勝った」で終わらせてしまうと、かなり大事な部分を見落とします。

6回終了時点では、

専大松戸 8-2 山梨学院。

山梨学院の大会前の強みだった失点抑制は完全に崩れていました。

それでも7回に8点。

さらに8回にも1点。

最終的に11-10で勝ちました。

この試合から見えるのは、

  • 大会前のチームタイプだけで試合展開を固定しないこと
  • 大会中の実戦から攻撃力・守備力を更新すること
  • 主な勝ち筋が崩れた後に別の勝ち方を作れるかを見ること
  • 大差ビハインドからどこまで再アンロックできるかを見ること
  • 相手の継投後も攻撃を継続できるかを見ること
  • 大量得点の直後に、もう一度追加点を取れるかを見ること
  • 逆転後に試合を再ロックできるかまで見ること

の重要性です。

特にこの試合は、

「強いチームとは、自分の得意な勝ち方だけで勝てるチームではない」

ということを考える材料になります。

山梨学院は、守備で締めるという大会前に見えていた勝ち方を使えませんでした。

それでも攻撃で6点差をひっくり返しています。

現在のかなマネInsightでいう「代替構造」を考えるうえで、非常に分かりやすい一戦だったと思います。