2026年8月15日、夏の甲子園3回戦で、拓大紅陵(千葉)と仙台育英(宮城)が対戦しました。
このページは、大会前に公開した予想をもとに、試合終了後の結果と試合内容を加えて再構成したものです。
当時は仙台育英を本命とし、2-1のロースコアを中心に予想しました。実際は仙台育英が6-3で勝利。勝敗は的中しましたが、両校とも予想以上に安打を重ねる試合になりました。
拓大紅陵-仙台育英|当時の予想
本命:仙台育英
信頼度:B
予想スコア:仙台育英 2-1 拓大紅陵
拓大紅陵は初戦で佐賀商に1-0。宮沢和聖が7回を3安打、無四球、8奪三振、無失点に抑え、8回から山辺颯が2回無失点で締めていました。
左腕の宮沢から右腕の山辺へつなぐことで相手打線のタイミングを変え、ロースコアを維持できる点を評価していました。
一方の仙台育英は、札幌日大に3-1、花咲徳栄に1-0。古川諒弥は2試合で計218球を投げていたため、3回戦でも古川一人に長いイニングを任せる形は取りにくいと見ていました。
そこで注目したのが福井勇翔、梶井湊斗です。古川の登板時間を減らしても、この2人を使いながら試合を作れることを仙台育英の強みとして評価しました。
基本得点レンジは、拓大紅陵0~3点、仙台育英1~5点。
かなマネPOINTは、「仙台育英が、古川に頼り切らず拓大紅陵の攻撃を止められるか」でした。
試合結果|仙台育英が6-3で勝利
| 学校 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 仙台育英 | 3 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 6 | 14 | 1 |
| 拓大紅陵 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 3 | 12 | 1 |
結果は仙台育英6-3拓大紅陵。
仙台育英本命・信頼度Bの勝敗予想は的中しました。
拓大紅陵の3得点は事前レンジの上限。仙台育英は1~5点とした上限を1点上回りました。
予想との大きな違いは安打数です。仙台育英14安打、拓大紅陵12安打。宮沢を中心とした投手戦ではなく、両校が継続して走者を出す試合になりました。
仙台育英が初回から3点|拓大紅陵の投手プランを崩した
仙台育英は初回、先頭の小久保颯弥が安打と盗塁で二塁へ進み、送りバントで一死三塁。
田山纏の内野安打で先制すると、有本豪琉、倉田葵生にも適時打が出て、一気に3点を奪いました。
さらに2回には斎藤駿多の三塁打から丹羽裕聖の適時打で4-0。5回にも有本の適時二塁打で5点目を加えています。
事前には宮沢から山辺へつなぐ継投を警戒していましたが、実際の拓大紅陵は二宮楽が先発しました。
二宮は5回を投げ、9安打5失点。6回から宮沢へ交代すると、その後の失点は7回の1点だけでした。
つまり、宮沢が登板してからは大きく崩れていません。
仙台育英は、拓大紅陵が本来持っていた強い投手を攻略したというより、その投手が出てくる前に5点を取ったことが大きかったと考えられます。
古川を先発させず、福井と梶井で試合を作った
この試合で予想に最も近かったのは、仙台育英の投手運用です。
先発は古川ではなく福井。
福井は5回1/3を投げ、7安打、7奪三振、3失点。6回に連打を受けて5-3まで追い上げられたところで梶井へ交代しました。
梶井はその回の後続を連続三振で抑え、7回も三者凡退。拓大紅陵の反撃をそこで止めています。
そして8回から古川が登板し、最後の2回を無失点で締めました。
古川はそれまでの2試合で218球を投げていましたが、この試合では33球だけ。
事前に置いていた「古川に頼り切らず試合を作れるか」という問いに対して、仙台育英はかなり明確な答えを出しました。
予想で読めていた点と、見直したい点
読めていたのは、仙台育英の投手層です。
福井が先発し、梶井が追い上げを止め、最後だけ古川を使う。古川の負担を抑えながら3回戦を勝てたことは、事前に評価していた強みそのものでした。
一方で、大きくズレたのは試合の得点量です。
予想では、拓大紅陵の投手陣によって仙台育英が2点前後に抑えられる可能性を高く見ていました。
実際には仙台育英が14安打6得点。しかも相手の失策に大きく頼らず、1回、2回、5回、7回と複数の回で得点しています。
現在のかなマネInsightから振り返ると、ここで重く見たいのは「誰が登板するかによって、チーム全体の投手力は大きく変わる」という点です。
拓大紅陵には宮沢や山辺がいましたが、この試合では二宮が先発し、宮沢の登板は6回からでした。
強い投手がいることだけでロースコアを想定するのではなく、その投手をどの時間帯から使えるのかまで含めて評価する必要があります。
反対に仙台育英は、中心投手を後ろへ回しても福井と梶井で試合を成立させました。
投手の人数ではなく、役割を変えてもチーム全体の失点を抑えられることが、この試合では大きな差になりました。
この試合から残ったポイント
勝敗予想は、仙台育英本命・信頼度Bで的中しました。
予想スコア2-1に対して実際は6-3。ロースコアという見立ては外れましたが、勝敗判断の中心に置いた仙台育英の投手運用は機能しました。
特に大きいのは、古川を先発させずに勝てたことです。
福井、梶井で7回までつなぎ、最後だけ古川。これによって古川の投球数を抑えながらベスト8へ進みました。
そして打線も、過去2試合の3点、1点から、この試合は14安打6得点。複数の回から自力で得点を作っています。
この試合から残るのは、「中心投手を休ませられるか」だけでなく、「中心投手を使わない時間にも勝てる試合を作れるか」を見る必要があるという点です。
仙台育英は3回戦で、その選択肢の広さをはっきり示したと考えられます。