ここまで、2026年秋の地区予選では、過去3年間に県大会へ繰り返し進んでいた学校が今年も多く勝ち上がったことを見てきました。
その一方で、これまで県大会へ続けて進んでいた学校が敗退し、別の学校が県大会への切符をつかんだブロックもあります。
では、その違いはどこにあったのでしょうか。
今回は、夏大会までのチームと秋の新チームのつながりから振り返ってみます。
3年連続県大会出場から敗退したのは3校
2023~2025年の3年間、すべて秋の県大会へ進んでいたAランクは43校ありました。
そのうち2026年も県大会へ進んだのは40校。
県大会出場を逃したのは、
市ケ尾、横浜南陵、大和
の3校だけでした。
過去の秋予選実績だけを見ると、いずれも今年も県大会出場を期待しやすい学校です。
しかし夏のチームまでさかのぼると、別の見方もできます。
市ケ尾|夏ベスト8でも、秋は別のチーム
最も分かりやすいのが市ケ尾です。
2026年夏は、関東六浦、相洋、横浜氷取沢、川崎工科、川和を破ってベスト8まで進出しました。
相洋には6-5、川崎工科には5-2、川和には3-1。夏の実績だけを見れば、秋も高く評価したくなる勝ち上がりです。
ただ、夏に勝ち上がったチームでは、投手や捕手を含め、中心となる役割を3年生が多く担っていました。
秋には夏を経験した選手も残りましたが、夏ベスト8のチームをそのまま引き継いだわけではありません。
地区予選では武相に1-2、百合丘に3-9で敗れ、横浜翠陵には6-3で勝利。1勝2敗で県大会出場を逃しました。
ここから分かるのは、夏の到達点が高いからといって、新チームも同じ位置から始まるわけではないということです。
横浜南陵・大和にも似た部分
横浜南陵は夏、中大横浜に1-9で敗れました。
夏のチームには下級生の先発経験者もいましたが、投手、捕手をはじめ、チームの中心を3年生が多く担っていました。
秋は横浜商業に0-6、上矢部に2-4で敗れ、連合には17-1で勝利。1勝2敗で県大会へ届きませんでした。
大和も同様に、夏の主なポジションには3年生が多く、新チームでは入れ替わる部分が大きいチームでした。
秋は秦野に8-11、大和南に4-6で敗れ、相模田名に9-2で勝利。こちらも1勝2敗でした。
もちろん、この3校だけで「こういうチームは秋に勝てない」と決めることはできません。
ただ、過去の県大会出場実績や夏の成績だけでは、新チームの状態までは分からないということは改めて確認できました。
逆に県大会へ進んだ学校を見る
では、A・Bランクではなかった学校から県大会へ進んだ例はどうでしょうか。
今回は、事前の見方を振り返るうえで気になった3校を見ます。
サレジオ学院|夏の段階から新チームにつながる選手が多かった
サレジオ学院は夏、厚木に7-15で敗れました。
結果だけなら大きなプラス材料には見えません。
ただ、夏のチームでは1、2年生が投手、捕手、二遊間など重要な位置を多く経験していました。
つまり、夏の公式戦を経験した選手がそのまま秋のチームにも多く残る形でした。
秋は慶應義塾に0-17で敗れましたが、城郷に11-9、元石川に7-2で勝利し、2位で県大会へ進出しました。
地区予選前にもう一段深く確認していれば、県大会出場候補として拾える材料はあった学校だと思います。
平塚農商|夏の結果だけでは見えにくかった
平塚農商は夏、大磯に1-12で敗れています。
夏の結果だけを見れば、秋に大きく評価を上げる材料は多くありません。
一方で、夏の時点から投手、捕手、遊撃など新チームでも重要になる位置を下級生が経験していました。
秋はアレセイア湘南に0-12で敗れたものの、藤沢工科に12-1、平塚工科に9-6で勝利。2勝1敗の2位で県大会へ進みました。
この例を見ると、夏の勝敗だけを見るのでも足りないことが分かります。
上矢部|過去の地区予選と夏大会にも材料があった
上矢部は少し違う例です。
2024年秋の地区予選ではブロック1位になった経験があり、2026年夏も神奈川大附に10-7で勝利して3回戦へ進みました。
2026年秋は横浜商業に4-11で敗れましたが、横浜南陵に4-2、連合に10-0で勝って2位通過。県大会出場を決めました。
過去3年間の県大会出場回数だけではA・Bにならなくても、直近の秋予選や夏大会まで広げれば、県大会出場を考える材料があった学校です。
大事なのは「下級生が何人いるか」ではない
今回の振り返りで、一番大事なのはここだと思います。
単純に、
「1、2年生が多いから秋に期待できる」
という話ではありません。
見たいのは、
夏にどのような相手と、どんな試合をしたのか。
そして、
その試合で機能した投手、守備、打線などを、1、2年生がどれだけ担っていたのか。
さらに、
その役割が秋の新チームにも残っているのか。
というところです。
市ケ尾のように夏に大きく勝ち上がっていても、中心部分が大きく入れ替われば秋は別のチームになります。
逆にサレジオ学院や平塚農商のように、夏の到達点だけでは目立たなくても、新チームにつながる選手が公式戦を経験していた学校もあります。
地区予選で見方を更新する
地区予選前の段階で、すべての学校を細かく調べるのは現実的ではありません。
そして、それでいいとも思っています。
今回の地区予選では、生田のように近年県大会へ複数回進んでいた学校がそろうブロックを1位で突破した学校も出てきました。
こうした学校を地区予選で新しく見つけ、評価を更新していくことも秋大会の面白さです。
過去の秋予選実績、夏大会での戦い、新チームに残った経験、そして今回の地区予選結果。
ここまでの材料を重ねながら、次は81校が出場する県大会を見ていきます。
【2026秋・神奈川県|地区予選 事後分析】シリーズ
▶分析① 2026秋・神奈川県大会出場81校が決定|地区予選を振り返る
▶分析② 2026秋・神奈川地区予選|過去3年の出場実績は今年もつながった?
▶分析③ 2026秋・神奈川地区予選|A・B以外の21校はどこから県大会へ進んだ?
▶分析④ 2026秋・神奈川地区予選|なぜ県大会出場校の入れ替わりが起きた?
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